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ついにスマートフォンに Huaweiの「HarmonyOS」

スマートフォンからIoTへ

 スマートフォンOSは、2007年の初代「iPhone」登場以来、AppleのiOSとGoogleのAndroidが独占してきた。以後14年間、Microsoftの「Windows Phone」、Mozillaの「Firefox OS」、中国ではAlibabaの「AliOS」などが市場に投入されたが、消滅か、残っていても微々たるものに過ぎない。

 そんな世界でHuaweiはHarmonyOSをどう展開してゆくだろう。いずれにしても長い時間がかかる作業だ。

 Huaweiは、HarmonyOSをスマートライフの時代に向けたOSと位置付けている。同社コンシューマービジネス事業CEOのRichard Yu氏は「“Internet of Everything”と“ユビキタスなインテリジェンス”の時代に、HarmonyOSは人々の生活を実質的に改善する」と述べている。

 これにはアナリストも賛同。CSS Insightのチーフアナリスト、Ben Wood氏は「Huaweiの今回の発表は、スマートフォンへの依存を脱して、他のハードウェアカテゴリに拡大する必要があることを示している」とCNBCに述べている。

 もちろん同じことを考えているライバルもいる。中国Xiaomiはスマートフォンから拡大するIoT戦略を進めている。Harvard Business Reviewは、同社のスマートフォンとノートPC以外のIoTデバイスの販売台数が2020年に2億1000万台を上回ったことを指摘しながら「世界最大のコンシューマーIoT企業」と評した。Xiaomiは、AndroidをベースとしたカスタムOS「MIUI」を採用している。

 HarmonyOSの発表では、ある疑惑もまたクローズアップされている。Ars Technicaは、スマートフォン・タブレット向けのHarmonyOSはAndroidの一種と主張する。HarmonyOSには、自社のLiteOSをベースとしたIoT・スマートウォッチ向けの2つの異なるOSがあるというのだ。

 数カ月前に開発中のスマホ向けOSを公式エミュレーターで試用し、中身を確認してAndroidのフォークと確信した。エミュレーターは、Ars Technicaが分析記事を出したあと削除され、国外ユーザーはSDKをダウンロードできなくなったという。

 またSouth China Morning Postは、HarmonyOSのドキュメントに「マルチカーネル設計を採用している」と書かれていると指摘。実質的に2種類のOSである可能性を示唆している。

 Huaweiは、こうした疑問には具体的に答えていない。