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「Fuchsia」が静かに製品化 Googleの“第3のOS”

広範囲に利用できる新しいOS

 Fuchsiaが注目を集めた理由には、AndroidやChrome OSがLinuxをベースとしているのに対し、Googleのフルスクラッチ開発だという点がある。C++、Rust、Dartなどの言語で書かれ、Googleが開発した「Zircon」(旧Magenta)という新しいマイクロカーネルを採用。オブジェクト志向、モジュラー型といった特徴を備え、低消費電力のデバイスからPCまでを対象にすると言われている。

 また、アプリ開発に「Flutter」を採用している点だ。Flutterは、Googleが2018年末にリリースしたクロスプラットフォームのUIフレームワークで、AndroidやiOSのアプリケーションで利用されている。モバイル、デスクトップなどOSにかかわらず一貫したUIを開発できるツールとして同社は推進している。

 つまり、AndroidやChrome OSに取って代わりうる“第三のOS”と想定できるのだ。2018年にFuchsiaを報じたBloombergの記事では、「3年以内にスマートホーム向けにローンチ」し、「2023年までにはスマートフォンやノートPCに広げていく」と予想していた。第1の予想は的中したことになる。

 他のデバイスでどうかというと、実際、多くのデバイスで動作しそうだ。Ars Technicaは2018年に公開されたコードをコンパイルして「Pixelbook」でネイティブに動作したことを報告している。

 そして今回のNest Hubでの採用だ。当初からFuchsiaを追い、ローンチを報じた9to5GoogleのKyle Bradshaw氏によると、ほかにも、Nest Hub、Nest Hub Maxなどの端末で検証が進んでいる。2020年12月には、外部の開発者が貢献できるようプロジェクトがオープンとなり、今年3月にはリリースサイクルを導入したという。