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GM傘下のベンチャーに出資 自動運転にクラウドを広げるMicrosoft

車載Windowsからクラウドへ

 Microsoftの自動車向け製品の歴史は古い。1998年に組み込み向けOS「Windows CE」をベースとした「Auto PC」を発表。「テレマティクス」用途の「Windows CE for Automotive」「Windows Automotive」などを自動車業界に提供し、車載Windowsを目指していた。

 だが2016年はじめに新しい「コネクテッドカー」戦略を打ち上げ、自動車をクラウドに接続するソリューションに方針転換した。

 翌2017年にはAzureサービスで構成する自動車メーカー向けプラットフォーム「MCVP」(Microsoft Connected Vehicle Platform)を発表。ルノー・日産連合やトヨタ、Ford、BMWなどの大手パートナーも獲得した。また、Microsoftは中国Baidu(百度)の自動運転向けプラットフォーム「Apollo」にも参加している。

 VentureBeatは、今回のGMグループとの提携について「長期的には、多くを得るのはMicrosoft側」とみる。CruiseとGMの優先クラウドであるだけではない。プレスリリースにある「Cruiseの深い業界知識」に着目しながら、「現時点ではまだ不安定な自動運転車市場の将来に向け、確実な足場を作ることができる」とみる。

 ハードウェアメーカーとは直接競合せず、パートナーになるのがMicrosoftの伝統的な戦略だ。Amazon、Alphabetのように自動運転車事業を自社に抱え込むのではなく、「直接は、かかわらない」というアプローチは、最終的に業界リーダーへの近道になるだろう、とVentureBeatはみている。