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「Teams」を強化するMicrosoft コラボサービスをプラットフォームに

 業務のテレワーク化の波でWeb会議/コラボサービスの活況が続いている。そんな中、Microsoftは5月19、20の両日に開催した開発者向けイベント「Build 2020」で、「Microsoft Teams」の大幅な機能強化を発表した。アプリ開発者への訴求とユーザー体験の統一にフォーカスした内容で、ライバルとの差別化を図る。そこからは同社がTeamsのプラットフォーム化を推進してゆく姿勢が見えてくる。

開発者にアピール

 今年の「Build」は新型コロナの拡大を受け、初めての完全なオンラインイベントとなった。多くの発表が行われた中、Teams関連でもさまざまな機能強化が説明された。特に「Teamsアプリの開発と公開」に説明の多くを費やしている。

 まずTeamsアプリ開発の基盤や設定向けに、開発ツール「Visual Studio」と、エディタ「Visual Studio Code」の拡張機能を用意。Teams上で動くアプリを使い慣れた開発環境で開発できるようにする。また、コーディングのスキルがなくともアプリを作成できる開発環境「Power Platform」との統合も進める。

 目玉のテンプレート機能は、チームごとにカスタマイズしたテンプレートを利用できるもので、チャンネルやアプリの組み合わせが可能。数カ月内にリリースの予定で、医療、銀行など業界別テンプレートも用意する。

 また、データ分析「Power BI」のレポート共有なども簡素化。プロセス自動化の「Power Automate」ではメンション機能を自動化。クラウドデータにアクセスするための「Microsoft Graph API」の強化も図った。

 こうして開発したTeamsアプリは、Microsoftのビジネスアプリマーケット「App Source」や自社のアプリカタログで公開でき、そのプロセスも簡素化される。同時に管理者のアプリ管理も容易になるとしている。

 Microsoft Teamsエコシステム担当コーポレートバイスプレジデントのBhrighu Sareen氏は「開発者の成功を支援したい。開発者の成功とはエンゲージとマネタイズであり、これを支援することは今後1年間の最優先事項だ」とVenture Beatに語っている。