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「Teams」を強化するMicrosoft コラボサービスをプラットフォームに

ユーザー急増のオンラインコラボサービス

 Microsoftの4月29日の第3四半期(2020年1-3月期)の決算報告では、Teamsの1日のアクティブユーザーが7500万人となった。6週間前の4400万人から70%増で、新型コロナでWeb会議やテレワークが急増した結果だ。Microsoftはこれに対応して、参加者の同時表示数の制限緩和や、画面背景の差し替え機能追加などを行ってきた。

 一方で、ライバルたちの利用もそれ以上に急伸している。Web会議のZoomは先に、1日の会議参加者数が3億人(アクティブユーザーではなく、参加者。同一ユーザーの複数会参加は重複カウントされる)と発表している。昨年12月の1日あたり参加者数の30倍にあたる。

 コラボレーションで競合してきたSlack Technologiesのユーザーも急増している。The Vergeによると、3月10日に“同時ユーザー数”が1000万人を超え、一週間足らず(3月16日)で1050万人になった。なお、1日のアクティブユーザー数としては、2019年10月に「1200万人」と発表したのが最新の数字だ。現在は、相当数増えているとみられる。

 Buildはこうした中での開催となった。GeekWire編集者でMicrosoftウォッチャーのTodd Bishop氏は「大企業が社内でTeamsアプリを構築するのを奨励する動き」と解説。「成長市場でのライバル対抗であり、既存顧客の支持獲得で強化を図るMicrosoftの古典的な戦略」とした。Bishop氏は、Visual StudioとVisual Studio Codeを利用する開発者は9万人としている。

 一方のSlackは“コミュニケーションハブ”を標榜し、以前から外部のサービスも取り込むエコシステムの強化を図ってきた。API連携できる外部アプリは2000以上で、「Teamsの4倍以上」(Bishop氏)という。その中には、Zoomや、Office 365まで含まれている。

 MicrosoftはBuildで、Teamsの外部接続機能を発表しているが、Slackに対抗するものと言える。「Network Device Interface(NDI)」のサポート、放送局向け「Skype TX」との相互運用などだ。

 NDIはインターネット経由で映像を配信できるNewTekの技術で、Teamsを使ったバーチャルセミナーなどのライブイベントがより簡単になる。Zoomと比べて弱いとされるウェビナー機能を強化する動きと言える。

 さらに鍵になりそうなのが「Fluid Framework」だ。