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「提携、イノベーション、セキュリティ」 2020年クラウド予測

引き続き台風の目のKubernetes

 2019年のKubernetesの伸長は著しく、既に“クラウドネイティブ”の代名詞的存在にもなっている。対抗だったCloud FoundryもKubernetesをベースとした「Project Eirini」を発表。Kubernetesはデフォルトプラットフォームとしての地位を固めたと言える。

 そのKubernetesの関連技術としては、「サービスメッシュ」と「サーバーレスコンピューティング」の2つが期待される、とForresterは予想する。

 サービス間の連携を可能にするサービスメッシュは、分散型アーキテクチャに不可欠な技術で、GoogleやIBMなどが「Istio」としてプロジェクトを進めている。ほかに、高可用性に必要なコンテナレジストリの「Harbor」、アプリケーションのログ追跡「Jaeger」、ログとトラブルシュートのための「ELK Stack」など、付随する技術もオープンソースプロジェクトとして開発が進められている。

 またCRNが挙げた10のクラウドトレンドには、Kubernetes関連が3つもある。「Kubernetesによってクラウド間の境界が破られ、曖昧になる」「Kubernetesでクロスクラウドでの統一が進む一方、周辺サービスのサイロ化が起こる」「Kubernetesを軸とする買収、統合がさらに進む」というものだ。

 買収、統合は、OpenShift(Red Hat)を手に入れたIBMをはじめ、MicrosoftによるKubernetesツールキットのDeis買収、VMwareによるHeptio買収などがある。だが、コンテナ関連のスタートアップは多数いて、どのベンダーが何を手に入れるかも1つの注目ポイントになりそうだ。

 このほか、Forresterは、3つ目に挙げた「セキュリティ」で「ハイブリッドクラウドの世界でアプリとデータを安全にすることが、次のクラウド管理の課題になった」とする。

 今夏に明るみに出た米大手金融Capital Oneの情報漏洩インシデントを受けたものだが、複数のクラウドを管理できる機能によって、より高度なセキュリティ機能を構築することを迫られるだろうという。