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「AWS Outposts」提供開始 AWSは“ハイブリッド”でどう戦う?

 Amazon Web Services(AWS)が「AWS Outposts」の一般提供(GA)を開始した。顧客のデータセンターにハードウェアを設置してオンプレミス環境でAWSサービスを実行できる製品で、発表から1年を経ての本格投入だ。攻めるのは、IaaSで戦うクラウドベンダー、そしてハードウェアベンダーもひしめく“ハイブリッドクラウド”。これまで及び腰だった同市場に打って出る。

AWSのサーバーを自社データセンターに

 AWS Outpostsは、セキュリティや低遅延などの面でメリットのあるオンプレミス環境でAWSのクラウドサービスを実行。使い慣れたAWSのAPIやツールを利用しながら、AWSのパブリッククラウドと連携する“ハイブリッドクラウド”を実現できる。

 発表した年次イベント「re:Invent 2019」で、AWSのCEO、Andy Jassy氏は「同じツールを使ってオンプレミスインフラも管理できるので、簡単にクラウドに移行できるという顧客の声をもらっている」と胸を張った。

 ハードウェアは高さ80インチ、横幅24インチ、奥行き48インチ、重さは2000ポンド(約900キロ)。AWSの専任チームがやってきてサーバーを設置し、インストールなどの作業を行う。「世界トップのクラウドインフラベンダーが、企業のデータセンター内でハードウェアラックをインストールするのだ」(Tech Crunch)という。

 利用できるサービスには「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」「Amazon Elastic Block Store(EBS)」「Amazon Virtual Private Cloud」「Amazon ECS」「Amazon Elastic Kubernetes Service」「Amazon EMR」が含まれており、2020年には人気の「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」なども加わるようだ。

 AWS Outpostsには、「Native AWS」「VMware Cloud on AWS Outposts」の2種類があり、まずNative AWSから提供を開始する。