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NTT Com、AWS Outpostsと自社データ分析ツールを組み合わせたソリューションを提供

ローカル環境でセキュアかつ低遅延のデータ分析が可能に

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は14日、Amazon Web Services(AWS)のクラウドサービスを自社内で利用できる機能「AWS Outposts」を導入し、自社データセンター内に検証環境を構築したと発表した。また、この検証環境において、AWS Outpostsに自社のデータ分析ツール「Node-AI」を組み込んだソリューション「Node-AI on AWS Outposts」を開発し、同日よりサービスの提供を開始する。

 AWS Outpostsは、AWSが設計したハードウェアに同社の一部サービスを実現するソフトウェアを搭載し、ローカル環境で利用できるようにした製品。AWSのサービスをローカル環境に置くため、低遅延で活用できる点やデータ転送コストを抑えられる点などを評価され、欧米では多様なユースケースで活用され始めているという。

 一方で日本の企業・団体においては、通信遅延やデータ転送コストの抑制などに加え、データマネジメントの最適化やセキュリティ確保の観点が求められており、例えば、工場や研究所で取り扱うデータは機密性が高いため、パブリッククラウド上ではなく、ローカル環境でセキュアにデータ処理を行いたいといった要望があったとのこと。

 今回提供するNode-AI on AWS Outpostsは、AIモデルをノンコーディングで直感的に開発可能なNTT Comのデータ分析ツールNode-AIを、AWS Outpostsに組み込んだもので、こうしたニーズに応えられるソリューションとして開発された。具体的には、従来はAWSのクラウドサービスで実施する必要のあったデータ分析をローカル環境で行えるので、機密情報をパブリッククラウド環境に送信することなく、セキュアに分析可能になったとしている。

 またNode-AIの特徴である、ノンコードでAIモデルを開発できる点を引き継いでいるほか、開発したAIを用いたデータ分析をローカル環境で実施可能な点もメリット。クラウド上で提供されるサービスに比べ、よりデータソースに近い場所で処理するため、大容量データを低遅延で分析可能となっている。

AWS Outpostsを活用したNTT ComのDXソリューションのイメージ

 なおNTT Comでは、AWS Outpostsを導入した知見を生かし、Node-AI on AWS Outposts以外にも、AWS Outpostsをより効果的に活用するための機能を複合的に提供できるとアピールしている。具体的には、IoTセンサーやカメラと多数のエッジデバイスを接続するローカル5G、お客さま環境とクラウド間を接続するセキュアなネットワーク、AWS Outpostsを設置するデータセンターなどのICTインフラ、AWSの多様なクラウドサービスのマネジメントをワンストップで提供できるとのことだ。