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「AWS Outposts」提供開始 AWSは“ハイブリッド”でどう戦う?

ハイブリッドクラウドで出遅れたAWS

 パブリッククラウド最大手のAWSだが、クラウドベンダーによるハイブリッドソリューションの提供という意味では、ライバルを追っている。

 Microsoftは「Azure Stack」を2015年に発表。2019年11月の年次イベントでは「Azure Arc」として、オンプレミス、Azureおよびそれ以外のパブリッククラウドなどに拡大して、次の段階のハイブリッド戦略(Microsoftは“ハイブリッド 2.0”と称している)へと進めた。Googleは4月の年次イベントで、Kubernetesを基盤にアプリケーションの移植性を実現する「Anthos」を発表済みだ。

 AWSは遅れただけではない。ハイブリッドクラウドに対応するとはいえ、使えるパブリッククラウドは自社サービスのみ。Microsoft AzureとGoogle Cloudが、AWSを含むマルチクラウドを実現しているのとは異なる。パブリッククラウドで他を圧倒するAWSは、ハイブリッドクラウドで追う両社に対して守りの姿勢になっている。

 さらに、敵はパブリッククラウドベンダーだけではない。Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Dell Technologies、IBMなどのサーバーベンダーもいる。HPEは従量課金サービスを「GreenLake」ブランドで展開。「2022年に全てのポートフォリオをサービスとして提供する」とCEO自らが約束するほどだ。

 HPEはちょうどAWSがOutpostsの一般提供を発表した週に、オンプレミス、AWSを含むパブリッククラウドなどを管理できるセルフサービスの運用ポータル「HPE GreenLake Central」を発表したところだ。

 ハイブリッドの世界では、AWSは“従”の位置づけになりかねない――。