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驚きの2画面Surface Microsoftの戦略は?

 MicrosoftがSurfaceの新製品群を発表した。初代RTの登場から7年、AMDチップの採用など新基軸を打ち出す中、何より話題をさらったのは2画面の新デバイス「Surface Neo」と「Surface Duo」だ。特にDuoは、同社で初めてAndroidを採用した画期的な製品で、Microsoftのモバイル再挑戦となる。

Androidという選択

 10月2日の発表会で、Surfaceを統括するCPO(最高製品責任者)のPanos Panay氏は、一連の発表のトリとして2画面のSurfaceを紹介した。9インチ2画面の「Surface Neo」は2画面対応Windowsの「Windows 10X」で動作。5.6インチ2画面の「Surface Duo」は、ARMベースのSnapdragon 855を搭載し、Androidで駆動する。ともにリリースは来年の年末ホリデーシーズンだ。

 携帯電話、スマートフォンで失敗続きだったMicrosoftは2017年、Windows 10 Mobileを最後にスマホ事業から撤退している。Duoはたたむとパスポートサイズの薄型でジーンズのポケットにも入る本格的モバイルデバイスで、この市場への何度目かの挑戦となる。何よりもメディアを驚かせたのは、OSにWindowsでなく、Androidを採用したことだ。

 これについてMicrosoftモダンライフ・検索・デバイスグループ担当バイスプレジデントのYusuf Mehdi氏は「ポケットにフィットして、通話やアプリを使えるデバイスが欲しいのなら、Androidの選択は理にかなうことだった」とCNETのインタビューに語っている。

 背景には、クラウドとエクスペリエンスへの転換がある。CEOのSatya Nadella氏はWIREDのインタビューに答えて、「OSはもはや、われわれにとって最重要レイヤーではない」とまで言い切った。

 Nadella氏は「最も重要なのはアプリモデルと体験だ」「2019年にあっては、デバイスがコンピューティング体験の中心にあるという考え方はナンセンスだ」と語り、新しいSurfaceをクラウドサービスの中に位置づけている。

 こうしたMicrosoftの判断に対して、「これはMicrosoftが2020年に電話をつくるには唯一の現実的な方法であり、最高の選択だと考える」(Windows Central)など、専門メディアの多くは好意的だ。