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Facebook分割論浮上 リークで分かったZuckerberg氏の心中

 巨大化したGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)に向けられる目は次第に厳しくなっている。その分割を主張するElizabeth Warren上院議員が、来年の米大統領選の民主党候補として急上昇している。GAFAとしては心穏やかでなさそうだが、そんな中で「分割するなら徹底抗戦」と述べたFacebook、Mark Zuckerberg CEOの発言が流出した。メディアが分析する。

「存続の危機には戦う」

 Warren上院議員は著名な法学者で、消費者保護主義者として知られる。大統領選に向けては「Rebuild the middle class」(中産階級を再構築する)をスローガンに掲げ、経済政策を前面に押し出す。また、「反ウォール街の急先鋒」と言われるほど株式市場に厳しく、市場関係者にとっては、“最も大統領になってもらいたくない人物”でもある。

 GAFAの企業分割論では、今年3月、「Google、Amazon、Facebookは分割すべき」とMediumに投稿してハイテク業界に衝撃を与えた。その主張は、力を持ちすぎた巨大ハイテク企業は競争を損なうので、「世界で年間250億ドル以上の利益を上げる企業への規制」「公共プラットフォームの運用と、ストアの運用の分離」をすべきというものだ。

 つまり、Google検索とオンライン広告販売、AmazonBasicsとAmazon Marketplace、AppleとApp Storeをそれぞれ別会社に。Facebookについては、InstagramやWhatsAppの分離が必要という考えだ。

 そんな中、これに対するZuckerberg氏の発言を10月1日付でThe Vergeが報じた。今年7月末の社内ミーティングで、従業員とのQ&Aセッションの中で語ったものだ。

 Zuckerberg氏はその中で分割に強く反対し、会社として徹底抗戦する意思を示した。「Elizabeth Warrenのように、企業を分割するのが正しいと思っている人がいる。彼女が大統領になったら、法廷の問題になるだろう」「自分の国の政府を相手に訴訟をしたくないが、存続の脅威には戦うしかない」と語っている。

 また、「Facebook、Google、Amazonを解体しても問題は解決しない」「選挙への干渉の可能性は変わらない」とも述べ、TikTokへの対抗策や脳・コンピューター・インタフェイスなどにも言及していた。

 報じたThe Vergeは「7月はFacebookにとってホッとした月だったはずだ」と補足している。Cambridge Analyticaとのデータ流出問題で、50億ドルの制裁金を支払い、アナリストの予想を上回る業績報告をしていた。

 各メディアは早速、この内容を取り上げた。