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MapRがHPEに技術資産を売却 再編続くビッグデータ技術ベンダー

 ビッグデータ技術「Apache Hadoop」の商用サービス市場が大きな変革期を迎えている。今年初め、ClouderaがライバルHortonworksの合併を完了したが、今度は同業のMapR Technologiesが、Hewlett Packard Enterprise(HPE)に技術資産を売却することになった。これら3社は、ビッグデータを牽引してきた企業の代表だが、再編の波に洗われている。何が起こっているのか――。

売却先を探していたMapR

 HPEがMapRを買収したというより、MapRの買い手が見つかった。今回の取り引きは、そう見ることができる。生き残りを模索してきた結果だ。

 MapRはHadoopベンダーの1社として2009年に創業。2011年にステルスモードから脱した。当時はビッグデータブームの時期であり、MapRはビッグデータ処理技術として人気のオープンソース技術であるHadoopを基盤としたディストリビューションを構築、提供してきた。

 創業者のJohn Schroeder氏は当時、「Hadoopアプリケーションを容易に構築、実装、管理できるディストリビューションによって、Hadoopを信頼性のある、頼れるコンピュートとストレージプラットフォームにする」と述べていた。

 その後、機械学習やデータアナリティクスが注目されるようになると、MapRはHadoopなどの技術を「MapR Data Platform」として、自社の位置づけをデータプラットフォーマーに寄せていった。

 一時期はIPOのうわさもあったが、今年5月には120人規模の組織再編を行い、6月には事業継続のための戦略的取り引きを続けていると報告。身売り先を探していることを明らかにしていた。

 そうして、HPEとの取り引きに至った。8月5日の発表によると、HPEはMapRの技術資産、知的所有権、それにAI、機械学習などの専門知識を獲得する。MapRの顧客のサポートについては、顧客とパートナーに対して既存の実装をサポートするとしている。買収額は公表していない。