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米NetApp・クリアンCEOが来日会見、「インテリジェントなデータインフラ」のビジョンを説明

 ネットアップ合同会社は、米NetAppのCEOであるジョージ・クリアン氏を囲む記者会見を1月30日に開催した。1月28日に日本で開催されたイベント「NetApp INSIGHT Xtra Tokyo 2025」のために、クリアン氏が来日したのに合わせて開催された。

NetApp CEO ジョージ・クリアン氏

 冒頭でクリアン氏は「日本はNetAppにとってアジア最大の重要な市場だ」とあいさつした。今回の来日でも、顧客や、通信事業者、政府関係者などと話したとのこと。そこで語ったメッセージということで、NetAppが2023年から掲げる「インテリジェントなデータインフラストラクチャ」のビジョンについてあらためて説明した。

 まず語ったのは、「われわれはいま、データとインテリジェンスの時代にいる」ということだ。クリアン氏は、データの時代としては、ドキュメントをデジタル化する第1の時代と、ビジネスの時系列をデータでたどれるがまだ限定的な第2の時代を経て、現在は、第3の時代にあるという。第3の時代では、顧客について、取引情報や、メールなどのコミュニケーション記録、インターネット上の情報まですべて統合して理解することができるのが特徴だと説明した。

 このデータの第3の時代において成功するには、そのためのデータを統合するインフラを持つ必要があるとクリアン氏は述べた。

 次に語ったのは、ビジネスにおけるさまざまなデータを統合的に分析するための使いやすく洗練されたツールが使えるようになったということ。従来は、SQLやテキスト、OCRなどデータ分析のインターフェイスが異なっていたが、技術の発展によりすべてのデータを統合的に分析できるようになった。

 こうしたツールを効果的に使うには、しっかり管理された、質の高いデータが必要になるとクリアン氏は言う。そのために、セキュリティやプライバシー、ガバナンスを担保できる、インテリジェントなデータインフラストラクチャが必要だと語った。

 続いて語ったのは、データインフラをアプリケーションなどのエコシステムの中に組み込む必要があるということだ。「NetAppはこの数年、インテリジェントなインフラストラクチャの領域でイノベーションを進めてきた」とクリアン氏は言う。

 そして、「さらに新しいアプリケーションとしてAIの領域にも注力している」とクリアン氏は語った。具体的には、AIのアプリケーションにも耐えられる超高速なインフラ、データの検索や変更管理などができる機能、そしてメタデータによるコンプライアンス管理やセンシティブな情報のマスキングなどのデータのためのインテリジェントサービスを氏は挙げた。

「さらにNetAppの顧客は、世界最大のハイパースケーラーのAIプラットフォームと統合して、エンタープライズデータのセキュリティやコンプライアンスを担保できる、ということにワクワクしている」(クリアン氏)。

NetApp CEO ジョージ・クリアン氏(右)と、ネットアップ合同会社 代表執行役員社長 中島シハブ ドゥグラ氏(左)