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NEC、作業改善につながるアドバイスの自動生成技術を開発 映像解析と生成AIを活用

 日本電気株式会社(以下、NEC)は29日、映像解析技術と生成AIを活用し、“お手本”動作と実際の作業の違いを把握し、改善に向けたアドバイスを生成する技術を開発したと発表した。

 NECが今回開発したのは、1)お手本となる動作との細かな動きの差異が発生している区間を検知する映像解析技術と、2)差異に基づいて、“お手本動作”に近づくための適切なアドバイス文を生成AIで作成する技術――の2つ。指導者の代わりにAIがアドバイスを行うことで、多種多様な作業に対するセルフ教育を可能にするという。

 1)では、お手本動作と作業者による実際の作業を比較し、同じ動作が行われている区間を対応付けする。その際、人の動きだけでなく、作業対象の物体に対する「つかむ」「持つ」といったインタラクションもとらえることで、お手本動作と動作時間が異なっても、正確な対応付けが可能になる。これにより、従来は検知できなかった細かな作業動作の差異を検出できるとした。

 一方の2)では、検出した差異区間の映像に加え、腰や膝の動き、手や指の形状といった骨格情報を大規模視覚言語モデル(Vision and Language Model:VLM)に入力する。こうして、映像情報だけでなく骨格情報も入力することで、VLMが改善すべき作業姿勢や動作を正確に特定し、具体的なアドバイス文を生成するとのこと。

 また、生成されたアドバイス文を該当部分の映像とともに提示することにより、物品の細かな組み立て作業や箱詰め、運搬作業など、さまざまな業種の現場において、指導者を必要としない作業習熟を可能にし、教育コストの削減にも貢献するとしている。

 NECではこれらの技術について、2025年度中に実証と製品開発を進め、2026年度内のサービス提供を目指す考えだ。