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第二世代アナリティクスベンダー統合始まる SalesforceのTableau買収

 Salesforce.comが同社史上最大の157億ドルの買収を発表した。相手はアナリティクス大手のTableau Softwareだ。前後してGoogleも同分野のLooker買収を発表している。ビジネスデータ分析は新しい分野ではないが、クラウド、AIの流れの中で新たな位置付けを得てきた。今回の2件の買収から、第2世代のデータアナリティクスベンダーの統合が始まったとの声も上がっている。

セルフサービスBIで人気のTableau

 「ナンバーワンのCRMとナンバーワンのアナリティクスプラットフォームが合体し、顧客のデジタル変革を加速する」。Salesforceは買収を発表したプレスリリースでこう高らかに宣言した。157億ドルという買収額は、直前の週のTableauの株価に42%ものプレミアムをつけたものだ。

 Tableauはスタンフォード大学でスタートしたデータ分析技術企業で、2003年創業。ドラッグ&ドロップのシンプルな操作性でセルフサービス型のアナリティクスとして人気を博している。顧客数は8万6000社、2018年の売上高は11億6000万ドルだった。

 Salesforceはここ1~2年、「Customer 360」として全方位から顧客を把握できるプラットフォームの構築を進めている。CRMやサービスクラウドから収集したデータを活用して洞察を得るためアナリティクスは重要だ。

 Tableauは買収後も独立したブランドで運営される予定で、CEO兼社長のAdam Selipsky氏はそのままトップに残り、シアトルにある本社もそのままという。Salesforceの共同CEO、Marc Benioff氏は、シアトルは「Salesforceの第2の本社」になると述べている。