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第二世代アナリティクスベンダー統合始まる SalesforceのTableau買収

Microsoftがアナリティクス再編を呼んだ

 競合という点ではどうだろう――。各メディアがそろって挙げたのが「Microsoft」との関係だ。

 Henschen氏は「SalesforceとTableauの共通点は、Microsoftというライバルを持つこと」と記す。Microsoftは、CRM(Salesforceと競合)で「Microsoft Dynamics 365」、BI(Tableauと競合)では「Power BI」を擁し、クラウドの「Azure」と「Office 365」との相乗効果で追い上げている。

 だが、Henschen氏は「武器は効果的な割引だ」と述べ、Microsoftは長期的なメリット、継続性、そしてAzure上に蓄積されるデータを見越して動いていると解説する。

 Nucleus Researchのアナリスト、Rebecca Wettemann氏は「Microsoftがシェアを侵食しており、スタンドアロンのアナリティクス市場が消えつつある」とBloombergにコメントしている。トップベンダーがアナリティクスを組み込むという流れがあり、そう考えれば、Lookerを26億ドルで買収したGoogle Cloudの動きにも合点がゆく。

 Market Watchは「Microsoft対抗に、ビックデータに大金を投じるSalesforceとGoogle」と題して、「第二世代のデータアナリティクスに最初の波が押し寄せている」というデータ統合技術TalendのCEO、Mike Tuchen氏の見解を紹介する。

 第一世代のデータアナリティクス企業は、Cognos、Hyperion、Business Objectsなどで、それぞれIBM、Oracle、SAPに買収された。Tableau、Lookerなどは第二世代に位置付けられるが、その再編の波を起こしたのはMicrosoftだというわけだ。

 IT市場はここ数年、大型買収が続いている。Tech Crunchによると、2018年だけでIBMのRed Hat買収など、10の大型案件で買収金額は870億ドルに上るという。激しい競争の中で大型買収は続きそうだ。