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クラウドゲームの起爆剤になるか Googleの「Stadia」

不安要因はネットワークの品質?

 Stadiaは、高い評価と期待をもって迎えられたが、その成功に疑問を投げかける見方もある。Googleはデータセンターネットワークの力を強調するが、EngadgetのJessica Conditt氏は「そのまま信じることは、ためらわれる」と述べ、過去にも似たような約束を聞いたことはあるが、がっかりさせられたとしている。

 Conditt氏は、広帯域のインターネット接続が全ての地域で使えるわけではない点を挙げる。インターネット接続は「Googleが管理できるサーバー、配信や、GoogleがISPと構築している特別な関係に左右される」と言い、ネット速度の全米平均は96Mbpsだが、保証されてはいないとする。

 そして、「Stadiaが動作することは間違いない」のだが、「問題は、どのぐらいうまく動作するか、そして、より重要なのは、プレーヤーがどのぐらい期待するかだ」と指摘する。そしてゲームのロードに時間がかかりすぎたり、途切れたり、不安定になれば、「失敗とみなされるだろう」と予想する。

 ゲームの離陸に必要なゲームタイトルはどうか? Harrison氏は「開発者に対して、Stadia関連技術を採用して既存ゲームを移植するよう訴えることは、大きな問題ではない」「Googleは人気のゲームエンジンとオープンソースフォーマットに依存しているからだ」とThe Vergeに述べている。

 StadiaはLinuxをベースとしており、グラフィックス業界ではデフォルトのフォーマットとなっているVulkan APIなども備えるという。Googleは合わせて、Stadia専門のゲーム制作会社「Stadia Games and Entertainment」を設立すると発表している。

 なお明らかになっていない点も多い。どうやってゲームを購入するのか、料金体系と価格、Google以外のコントローラーの対応の有無――などだ。Googleは8月に詳細を発表するとしており、ここで価格などは判明するはずだ。

 ローンチ時には、Chromecastデバイス(TV)、ChromeブラウザまたはChromeOS(PC)、Googleのスマートフォン「Pixel」ではStadiaアプリも用意すると発表されている。デバイスを越えて利用できるクラウドゲームではあるが、見当たらないプラットフォームもある。

 Wired.comは「そう、iOSは含まれていない。iPhoneやiPadとChromeブラウザの組み合わせも含まれていない。プラットフォームの覇権争いは、クラウドでも続いている」と皮肉っている。