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クラウドゲームの起爆剤になるか Googleの「Stadia」

Googleはライバルよりも優位か

 Stadiaはゲーム業界にどんな影響を与えるだろうか? クラウドゲームとしては既に、Nvidiaの「GeForce Now」、ソニーの「Sony PlayStation Now」「PS4 Remote Play」などがあり、ベンチャーにフランスのBladeのような企業も存在する。MicrosoftもXboxベースのクラウドゲームプラットフォーム「Project xCloud」を開発中だ。

 CNETは「クラウドゲームで成功する者がいるなら、それはGoogleだ。明らかなアドバンテージがある」と、クラウドゲーム市場を俯瞰しながら予想する。その理由は「データセンターの巨大なネットワークを持ち、それを結びつける光ファイバーもある。運用に必要なソフトウェアレイヤとプログラミングの専門知識、ユーザーを集められるYouTubeベースのインフラ、大きなインストール数のクライアント(Chrome)もあり、資金があり、自分たちでゲームを作ることもできる」とする。

 さらに「ゲームパブリッシャーに、対応ゲームを開発させるだけの説得力がある」とする。また「対抗できるのはMicrosoftぐらいだろう」とも言う。確かに、そのインパクトは大きいようだ。Stadiaの発表を受けて、ゲームハードウェアの代表株である任天堂とソニーの株価は急落した。

 Googleの他の各種サービスとの連携は重要な差別化となりうる。特に、YouTubeは一つのカギを握りそうだ。Stadiaコントローラーには、YouTubeで画面をワンタッチでシェアできるボタンを用意するほか、配信中に好きな人が参加できるようにする機能も予定している。Harrison氏は「ビデオゲームをプレイする人とそれを見る人の両方を融合させようとした」と言う。

 Googleによると、YouTubeでは毎日2億人がゲームを観ており、2018年にYouTube上でゲームが再生された時間は計500億時間にのぼるという。つまり、YouTubeはゲーム動画のチャネルとして大きな影響力を持っているのだ。

 同社はYouTubeにとどまらず、Gmail、Twitter、Facebookなどからゲームを開始できるようにすることも考えているようだ。Wired.comは「(Stadiaは)これまでのゲーム機やコンピューターへの挑戦となるだけでなく、配信プラットフォームそのものにとって脅威となるだろう」と分析する。

 CNETは「Googleの野望は、プレイ、開発、ストリーミング(YouTube)と、ゲームのあらゆる場面に拡大することだ」と解説している。