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Greene氏が退任 Googleクラウド部門で突然のトップ交代

 Google Cloudの顔としてクラウド事業を率いてきたDiane Greene氏が、退任を発表した。後を継ぐのは、先ごろ退社が大きく取り上げられた元Oracle幹部のThomas Kurian氏だ。Googleは、AWS、Microsoftとともに“クラウドのリーダー”のお墨付きをGartnerからもらったばかり。このトップ交代は何を意味するのだろうか――。

Greene体制の幕引き

 Greene氏は11月17日のGoogle Cloudの公式ブログで、2019年初めにGoogle CloudのCEO職を退き、11月26日に入社するKurian氏が後任として引き継ぐと発表した。

 Greene氏は自身のベンチャーBebopの買収によってGoogleに入社。2015年12月からクラウド事業のトップに就任した。退任の理由について同氏は「就任時、家族と友人には2年と伝えていた」と記している。元々情熱を持っている教育やメンタリングに力を向ける時が来た、とGreene氏は続けている。

 後継者のKurian氏については、GoogleのトップであるSundar Pichai氏、技術インフラ担当シニアバイスプレジデントのUrs Hoelzle氏とともに面接し、「Google Cloudを次のレベルに引き上げる」ことに尽力してくれることを確信したとしている。Greene氏は1月の正式交代後も、Alphabetの取締役の職は継続するとしている。

 Greene氏はブログで、この3年間を振り返り、顧客、買収、組織などの面からGoogle Cloudの成果を挙げている。例えば組織面では、Google CloudとしてIaaSとPaaSの「Google Cloud Platform(GCP)」、GmailやCalendarなどのSaaS「G Suite」、それに営業、マーケティングなどを組み合わせた組織構成を行った。Googleは2018年第1四半期のクラウド事業の売り上げを10億ドルと発表している。

 Greene氏はVMwareの共同創業者で、エンタープライズを理解しているという部分が期待された。実際、Greene氏はブログで、「(自身が就任当時は)大手企業顧客は2社程度」だったのが、「スタートアップからFortune 1000企業まで」の顧客をそろえるに至ったと胸を張る。その中には、Twitter、20th Century Fox、Colgate、New York Timesなどがあり、AWSを調達先としてきたNetflixもディザスタリカバリーとビジネス継続性にGCPを採用している。

 調査会社にも認められた。Google Cloudは2018年に入り、GartnerのIaaS分野の「マジッククアドラント」(市場でのベンダー各社の相対的な位置づけを示す図)で初めて「リーダー」に入った。ライバルのAWS、「Azure」のMicrosoftに大きく差をつけられてはいるものの、“トップ3”の認定を受けた格好だ。

 この流れだけを見ると、順調にビジネスを成長させたように見える。が、Google Cloud事業に対するメディアの見方は、依然として厳しい。