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ロボットブームが再燃 クラウド開発環境が連続公開に

 ロボットクラウドをめぐる動きが活発化している。AWSが開発プラットフォーム「AWS RoboMaker」をリリースし、Googleも「Cloud Robotics」プラットフォームを来年から開発者に利用可能にすると発表した。ともに、画像認識、音声認識、機械学習などクラウドのサービスを活用して、移動能力なども持つ多機能なロボットを開発できるようにするものだ。同時に、家庭用のロボットも浮上しており、ロボットブームが再燃しそうだ。

AWSのロボット開発環境リリース

 AWSは、11月下旬の年次イベント「AWS re:Invent 2018」でRoboMakerを発表した。クラウドにロボットの開発環境を構築するサービスで、アプリケーションの開発、テスト、遠隔でのデプロイやアップデートなどの管理機能を提供する。必要なものは全てあらかじめ用意され、すぐに開発に取りかかれるという。

 AWSのさまざまなサービスを拡張機能として利用できるのが特徴で、「Amazon Kinesis」(ストリーミングデータのリアルタイム収集、処理、分析)、「Rekognition」(画像・動画分析)、「Lex」(音声・テキスト認識)、「Polly」(音声読み上げ)などに対応する。拡張機能の利用にはそれぞれ課金される。

 また、機械学習プラットフォームの「Amazon SageMaker」と統合され、インテリジェントで多様なロボットが開発できるという。既にNASA(米航空宇宙局)や工具メーカーのStanley Black & Deckerなどが顧客として利用しており、発表とともに米国と欧州の一部で一般向けに公開された。来年以降、他地域に拡大していく予定だ。

 RoboMakerは、オープンソースのロボット開発プラットフォーム「ROS」(Robot Operating System)をベースにしている。ROSはいわゆるOSではなく、多様なパッケージやツールを持つプラットフォームで、産業用から自動運転車、ヒューマノイド型などさまざまなロボットに活用されている。また多くのソフトウェアやメーカーが採用している。

 一方、ライバルもクラウドのロボット開発で新しい動きを見せている。