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ARMが新ブランド「Neoverse」発表 データセンターからエッジまで狙う

 ARMがデータセンター市場に本腰を入れる。新プロセッサブランド「Neoverse」を発表。サーバやストレージだけでなく、エッジコンピューティングも視野に入れているという。スマートフォン向けプロセッサ市場では圧倒的な規模でコア技術を提供しているARMが巨人Intelに戦いを挑むこととなる。

データセンター向け「Neoverse」

 10月16日の自社イベント「TechCon 2018」で「Arm Neoverse」を披露したARMは「今日で実現していない高レベルの性能、セキュリティ、拡張性のために設計した」と説明する。

 Neoverseラインはまず、16ナノメートルプロセス向け「Cosmos」プラットフォームでスタートする。Cosmosは「Cortex-A72/75」ベースの“派生物”だという。ロードマップでは、その後、2019年に7ナノメートルの「Ares」プラットフォームを投入。2020年には7+ナノメートルの「Zeus」、そして2021年に5ナノメートルの「Poseidon」と進める。世代が進むごとに前世代比30%アップで性能を改善し、インフラ用途のニーズに応える新機能も盛り込むという。

 データセンター向けの特徴としては、高性能、安全性、クラウドネイティブワークロード対応などを備えるほか、OS、ソフトウェアコンテナ、仮想化、言語やライブラリ、開発ツールなどの企業によるエコシステムも構築する。さらにKubernetesなどを擁するCloud Native Computing Foundationなどオープンソースプロジェクトとも手を組む。

 ARMの発表では、「ハイパースケールのクラウドデータセンター、ストレージソリューション、5Gネットワーク」をユースケースとして挙げるとともに、コンピューティングのアーキテクチャの変化にも触れている。そんな中で投入する、Ares、Zeus、Poseidonは、エッジコンピューティング向けに最適化されると説明している。

 ARMのCEO、Simon Segars氏はイベントで「あらゆるものがコンピューターを内蔵する世界に移行している。さらにデータセンター市場に向けてARMは全力で戦う」と宣言した。