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ARMが新ブランド「Neoverse」発表 データセンターからエッジまで狙う

対Intel戦略は?

 サーバを中心としたデータセンター市場はIntelの独断場だ。いきおいメディアはNeoverseの発表を対Intelの視点から報じている。

 SiliconANGLEは、「勇敢な動き」と評し、「リードしているIntelに、次世代のクラウドとエッジコンピューティングで戦いを挑んでいる」と解説する。SiliconANGLE調査部門であるWikibonの最高技術責任者、David Floyer氏は、この戦略では(1)低コスト、(2)コストと消費電力に対する性能、(3)新しいワークロードと素早い市場展開――が3本柱になっていると分析する。

 CNETは、これまでライセンス先の互換設計に頼ってきたARMが、「長期的なロードマップにコミットし、顧客にライセンスするための独自の“ビックコア”の知的所有権(IP)を開発している」(Moor Insights & Strategyのアナリスト、Patrick Moorhead氏)とのコメントを引用する。Moorhead氏はこれを、「正しい動き」と評価している。

 ARMの強みは、スマートフォンをはじめとしたモバイルを制していることだろう。Neoverseは、スマートフォンで圧倒的な「Cortex」シリーズと互換性があるため同じソフトウェアを活用できる、とCNETは指摘している。

 コンピューティングのトレンドから解説したThe Next Platformは、サーバ、デスクトップ、モバイルの間のプロセッサアーキテクチャのギャップが拡大していると指摘。それぞれの異なるワークロードに対し、サーバプロセッサを小さくしてクライアントに合わせるという手法は限界に来ている、とする。

 そしてARMが「プロセッサラインを分けた」だけでなく、同社のパートナーのサーバチップ企業が「大規模な投資をすることなく高度で競争力のある設計」をできるようにするものだとした。