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「仮想マシン」から「マルチクラウド」へ 変わるVMware

 ながらく「仮想マシンの」という言葉とともに語られてきたVMwareが、クラウド時代に向けた新たな立ち位置を探し当てたようだ。新しいキャッチフレーズは「マルチクラウド」。競合するAmazonとも手を組み、親会社のDell Technologiesとは協業と独立のバランス技を見せている。創業20年、変化の中を生き抜いてきたVMwareの方向性を見る。

「マルチクラウド」がより明確に

 ラスベガスで8月末に開催した年次イベント「VMworld 2018」で、VMwareは実に多くの発表を行った。

 主力の仮想マシン関連では、vSphereのアップデート(vSphere 6.7 Update 1)や新しいエディション「VMware vSphere Platinum」、ソフトウェア定義ネットワークのvSANでも「vSAN 6.7 Update 1」を発表した。運用管理「vRealize Cloud Management」でも各モジュールをアップデートした。

 最大のニュースは「Amazon Relational Database Service on VMware(Amazon RDS on VMware)」だろう。2年前に提携を発表して業界を驚かせたAWSとの取り組みの第二弾で、AWSのCEO、Andy Jassy氏が今年もVMwareのCEO、Pat Gelsinger氏に招かれてステージに立った。Amazon RDSはAWSが提供するマネージド型リレーショナルデータベースだが、これをVMwareの顧客が利用できるというものだ。

 このほか、クラウドサービス側では「VMware Cloud Operations Services」の初期提供を開始した。「Project Tango」として呼ばれてきたもので、マルチクラウド環境におけるワークロード管理を効率よく行うためのモジュールが含まれている。

 また、パブリッククラウド管理プラットフォームのCloudHealth Technologiesを買収する計画も明らかにした。

 これらのVMworld での発表に一貫しているキーワードは「マルチクラウド」だ。