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Googleが中国再参入の報道 検索よりクラウドが狙い?

 Googleの中国戦略がメディアを賑わせている。8月に入って、同社が中国の検閲に対応した検索アプリを開発して市場再参入を進めていると報じられた。Googleは8年前、当局の検閲などに反発して中国市場から撤退したが、とうとう戻ってきたというのだ。そして、週末には、同社の狙いは検索ではなく、中国でのクラウドサービスだとのニュースが飛び出してきた。

中国当局の検閲に対応した新検索アプリ

 “敵対的ジャーナリズム”を掲げるオンラインニュースのInterceptは8月1日、Googleが中国の検閲に対応した検索アプリを開発したと報じた。社内の匿名の情報提供者によると、プロジェクトはコードネームで「Dragonfly」と呼ばれており、中国政府の「Great Firewall」でブロックされるサイトや、ブラックリストのキーワード検索結果を表示しないという。

 社内でも従業員8万8000人のうち数百人しか知らないプロジェクトで、開発は昨年春に始まり、Sundar Pichai CEOが訪中した年末から加速。既にカスタム版の2バージョンのAndroidアプリを製作して中国の当局者にレビューしたと伝えている。最終版は「中国側の認可を受けたあと、6~9カ月後にリリースの予定」とした。

 Googleは2006年に中国検索市場に参入し、一時はシェア3割を獲得した。しかし、2010年初め、当局と検閲をめぐって争ったあと、人権活動家のGmailへのサイバー攻撃があったと公表。同3月に撤退した。決定は、共同創業者で当時のCEOだったSergey Brin氏の意向を反映したものと言われている。

 メディアは「Googleの中国再参入」に騒然としたが、後を追った各社によると、「製品はテスト段階で、当局から公式の認定を受けてはいない」(Wall Street Journal)、「プロジェクトは存在するものの、すぐに中国に再進出することを意味するわけではない」(New York Times)、「国営China Securities Dailyが『事実でない』と報道」(Reuters)など、まだ早期段階であることが分かってきた。

 ところが、週末になって、やはりGoogleが別の形で中国市場再参入の計画を進めているらしいことが浮かんだ。検索ではなく、クラウドサービスの提供だ。