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製造業IoTで注目 現実をコピーした「デジタルツイン」

デジタルツインとブロックチェーンが産業IoTを推進

 SiliconAngleは今後、デジタルツインと産業システムとの相互運用性が強化されてゆくと予想する。SAPがS/4HANA Cloud for Intelligent Product Designで、SAP Leonardoのブロックチェーンとの連携に触れていることを取り上げ、「産業IoTやその他の分散サプライチェーンでブロックチェーンが利用されるようになる」と述べている。

 ネットワーク化されたデジタルツインは、エッジとエッジを結びつける役割を果たし、産業IoTブロックチェーンの基盤になってゆくとの見方だ。ブロックチェーンが、分散したデータを同期させるための解決策になるからだ。

 WikibonのアナリストはSiliconAngleに対して「デバイスの構造や行動を表現するさまざまなデータモデル、機械学習モデルを抽出可能」なため、システム全体のシミュレーション、新しいモデルの評価ができると解説する。

 Gartnerが今年3月に発表したIoT導入企業の調査では、米中独そして日本の回答企業の48%が、「デジタルツインをIoTで使っている」あるいは「2018年内に使う計画」と答えたという。さらにGartnerは、年間売上50億ドル超のメーカーの半数が、2020年までに少なくとも一つのデジタルツイン構想を持つようになると予想する。

 一方でGartnerは、「デジタルツインの作成とメンテナンスはリスクが大きく、難しい」点も指摘する。そしてデジタルツインを使いこなすには、多くのソースからデータを取り込むこと、製品バリューチェーン全体で使うことなどを推奨している。