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Facebookが“出会い系”参入 データ不正利用への「謝罪なし」との声も

 Facebookが、オンラインデート・サービスへの進出を明らかにした。「dating」は、日本では“出会い系”とも呼ばれる恋愛マッチングのサービスで、成長が続いている。ユーザー情報の不正な流用問題の余波が続く中で、最もプライバシーに敏感なサービスへの拡大だ。CEOのMark Zuckerberg氏は「継続して安全にし、継続して(サービスを)構築する」と述べ、臆する様子はない。

古くからのアイデアだった

 Facebookは5月1日、2日の両日、年次開発者会議「F8」を米サンノゼで開催した。出会い系サービスの開始は、その中の多くの発表の一つだ。従来のFacebookは、友達同士をつなぐが、デートサービスでは未知の相手をマッチングして紹介する。

 新サービスはFacebook上からオプトインで利用する。F8で披露したプロトタイプでは、Facebookアプリの右上にあるハート型のアイコンをタップすると、出会いサービス専用のプロフィールに移動する。

 デート用プロフィールは通常のFacebookのプロフィールとは別で、Facebookの友達には、デートサービスに登録していることは分からない仕組みだ。相手と直接やりとりするメッセージサービスも、Facebook Messengerから独立しているという。

 マッチングは、プロフィールや趣味・好み、参加しているグループなどの情報に基づいて、相手を見つける。リアルで行われるイベント(コンサートなど)の参加状況が、同じイベントに参加する他ユーザーに分かる機能もあるようだ。

 Facebookは、このサービスを「単なる出会いではなく長期的な関係を求めている人向け」と説明する。Zuckerberg氏は「Facebookがユーザーの意味のある関係の構築を支援すれば、このサービスはおそらく全員にとって意味あるものになる」とF8で述べた。New York Timesなどが伝えている。

 同社のデート機能は、実は以前から検討されてきたようだ。Reutersによると、創業後間もなくからアイデアを持っていたという。それが本気になったのは2016年。Facebookで出会って結婚に至ったカップルをZuckerberg氏が自身のページに紹介したところ、同様のカップルが次々にコメントし、これが導入のきっかけになったという。