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SAP、“デジタルツイン”による資産管理を可能にする「SAP Predictive Engineering Insights」を提供開始

 SAPジャパン株式会社は10日、物理資産の同等物を仮想的に作成し、センサーフィードに基づいてリアルタイムでインテリジェントな分析を提供するクラウドベースのソリューション「SAP Predictive Engineering Insights」の提供を開始した。

 SAP Predictive Engineering Insightsは、SAPが買収したノルウェー企業Fedem Technologyのデジタルツイン技術を基盤として構築したもの。デジタルツインとは、工場や製品などに関わる物理世界の出来事をそのままデジタル上にリアルタイムに再現し、実際に製造する工場や出荷する製品をシステム上にあたかも双子のように現実世界を模したシミュレーション空間を構築し、現実の工場の制御と管理を容易にする手法のことを指す。

 これにより、産業資産の可用性とパフォーマンスを高めることで有効性を最大化するとともに、設備所有者もこのソリューションを活用することで、リアルタイムの資産パフォーマンス管理のシミュレーションと組み合わせたビッグデータ分析を利用できるとしている。

 SAPでは、SAP Leonardoを基盤とするSAP Predictive Engineering Insightsにより、物理的な検査に代わって継続的なリアルタイムの「デジタル検査」と分析を可能にすると説明。センサーデータに基づいて、力、応力、疲労を計算する標準的なエンジニアリング手法と高性能な3Dエンジンを組み合わせ、エンジニアリングインサイトを視覚化して提供する。

 さらに、SAP Predictive Maintenance and ServiceやSAP Asset Intelligence NetworkをはじめとするSAP Leonardoベースの資産管理ソリューションを組み合わせることで、業務を効率化を可能にする。

 SAPでは、資産と製品の仮想的定義、物理的定義、条件的定義、商業的定義をリアルタイムに同期するデジタルツインのネットワークを設計中で、このネットワークにより顧客のイノベーションの加速、業績状況の最適化、サービス要件の予測、診断の改善、そしてバリューネットワーク全体での的確な意思決定をサポートすることを目指すとしている。