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AppleがMacに独自チップ採用か 脱Intelの道のり

Intelに打撃を与えるのか?

 Intelに与える影響はどうか? Bloombergは、Mac向けのチップはIntelの年間売上高の5%程度であると推定。実現すれば「打撃になる」とする。Business Insiderは、Intelは30億ドルから40億ドルの売上を失うが「移行の規模と時期で変動するが、与える影響は軽度だろう」との金融アナリストの見解を紹介している。

 一方、Intelが提供してきた製品にはシビアな見方が出ている。MacWorldは「IntelとAppleの提携は本当の意味で実現されなかった」とし、Appleが自社でMacチップを開発することに期待を寄せる。

 実際、Intelが「Coffee Lake」として進める第8世代Coreプロセッサは14ナノメートルプロセスを用いるが、Appleは、その先を進んでおり、2017年秋に発表した「iPhone 8」など最新のiPhoneで、既に10ナノメートルプロセスの「A11 Bionic」を搭載している。

 「iOSで実現しているのと同レベルでのイノベーションを(Macに)もたらすことができるだろう」とMacWorldは言う。またFortuneも「多くの年月と資金を投じたにもかかわらず、Intelは結局、市場をリードするようなモバイルチップを作れていない」と評した。

 モバイルパソコンのIntel離れの動きは、ほかでも出ている。MicrosoftはARMプロセッサを採用した“Always Connected ”Windows10を昨年末、発表している。メーカーからは、QualcommのSnapdragonプロセッサを採用したASUSの「NovaGo」や、HPの「ENVY x2」といった製品が投入される予定だ。

 Appleの自社チップがどれくらいのパフォーマンスになるのかは未知数だが、成功すれば、他社の動きも加速するだろう。スマートフォンやタブレットと、パソコンのアプリをシームレスに連携させたいというのは、ベンダーや開発者が長らく抱えてきた夢だ。MacもWindowsも、その方向を競っている。