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レガシーシステムもクラウドへ Salesforceの「Integration Cloud」

 Salesforce.comが企業向け統合クラウドを発表した。企業のレガシーシステムを活用するニーズを狙ったもので、同社のクラウドサービスと外部のデータを、APIを使って統合できるとしている。既存のシステム内にあるデータをそのまま活用できれば、そのメリットは大きい。「デジタルトランスフォーメーション」の前に立ちはだかる壁を破るツールになるだろう。

買収から1週間で製品発表

 Salesforceが3月28日に開発者向けイベントで発表した「Salesforce Integration Cloud」の最大の機能は、WebベースのAPIで外部サービスと接続できることだ。同社の営業支援、CRM、マーケティングなどのクラウドサービスに加え、企業の既存システムにも接続できる。

 Salesforce Integration Cloudは、クラウド統合サービスの「Integration Platform」、管理コンソールの「Integration Builder」、顧客データを集約・統合して表示する「Integration Experience」の3つのレイヤーで構成される。

 Salesforceはほかに、ビジネスプロセスを自動化する「Lightning Flow」、Lightingコンポーネントを使ってカスタムアプリに「Einstein Analytics」とライブアップデートを組み込める「Einstein Analytics Developer Experience」も発表している。これらによってユーザーは、Salesforce CRMの顧客データを使ってワークフローを構築できるようになる。

 TechCrunchは「データを使ってSalesforceプラットフォームの各所を加速し、エンタープライズ内のさまざまな場所にある情報を活用するための『Einstein』(同社のAI技術ブランド)インテリジェンスレイヤーを提供する」と解説している。

 ポイントは、Integration Cloudが、Salesforceのクラウド、ほかのクラウド、それにオンプレミスのシステムなど、どこにあっても、場所に関係なくデータを活用できることだ。これは、わずか1週間前の3月20日に買収を発表したMuleSoftの「Anypoint Platform」を利用している。