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コーディングだけでなく「学習・就職対策」も GitHubのトレンド予測

企業とオープンソース開発の関係もさらに緊密に

 スキル開発といったリポジトリが人気を集めている背景には、GitHubを使う開発者のニーズがありそうだ。GitHubのプロジェクトディレクター、Miju Han氏は「コンピューター科学を正式に学んだどうかに関係なく、仕事に就くためのリソースが増えている」とThe New Stackに述べている。

 同氏によると、これらのプロジェクトは、他の言語にも翻訳されているという。jwasham/coding-interview-universityは中国語、ベトナム語、スペイン語、ブラジル・ポルトガル語の4言語に翻訳されており、日本語プロジェクトも進んでいる。

 「オープンソース技術の普及を受け、企業側も最新のオープンソース技術情報を獲得したい、オープンソース開発の経験やスキルを持つ開発者とのパイプを構築したいと思っている」とHan氏は説明する。

 TensorFlowやReactなど、人気プロジェクトの中には企業発のものも少なくない。企業はオープンソース分野の活動を展開することは、大きなメリットをもたらすと考えているようだ。Han氏も、企業がリソースを費やして開発した技術をオープンソースとして公開することが、“テクノロジーの民主化”につながると期待する。

 企業とオープンソース開発の関係は密接になっている。GitHubが2017年秋に発表したレポートによると、貢献者が最も多いプロジェクトは「Microsoft/vscode」、「Facebook/react-native」が1、2位で、Fortune100企業の45%が商用サービスのGitHub Enterpriseを利用しているという。

 ちなみにGitHub以外の面から見たオープンソース技術の動向では、例えば、技術者向けサイトのComputer Business Reviewは「Top 5 Open Source Projects for 2018」として5つを挙げている。Linux Foundationの「Hyperledger」、コンテナオーケストレーション「Kubernetes」、データ暗号化の「Vault」、AIフレームワークの「OpenCog」、「TensorFlow」だ。

 また、Opensource.comは10のトレンドを挙げているが、やはりコンテナ、機械学習とAI、ブロックチェーンなどが並んでいる。他では、プログラミング言語の「R」と「Rust」、MicrosoftがWindows 10サポートを表明した「Progressive Web Apps(PWA)」、クラウド基盤の「OpenStack」も挙げられている。

 これらを見る限り、オープンソース業界の動きは、エンタープライズの最新技術動向を非常によく反映していると言えるだろう。