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パブリッククラウド市場は成長率4割を維持 各社の現状は

Microsoftの伸びの源はSaaS

 ベンダー別では依然としてAWSの一強状態が続いているが、この状況は変わるのだろうか?

 2番手のMicrosoftは、10月26日に同社会計年度2018年第1四半期(2017年6~9月期)の決算発表を行い、コマーシャルクラウドの年間ランレート(予想値)が、目標の200億ドルに達したと報告した。Azureの成長率は90%でCanalysの数字と一致している。

 CanalysはMicrosoftについて「既存のエンタープライズ顧客ベースを活用し、Officeポートフォリオとの互換性、ハイブリッドクラウドソリューションの強化により、今後もAWSに最も近い競合となるだろう」と評価している。

 またReutersは「Microsoftは、産業のクラウド移行トレンドによるメリットを受けられると予想されており、実際にそれを実現していることを示している」(Fort Pitt Capital Groupのアナリスト、Kim Forrest氏)とのコメントを引用する。例えば、Microsoftはこの四半期に、Azureで倉庫型卸売小売大手Costcoとの契約を発表している。

 だが、Microsoftのクラウド事業の成長に大きく貢献しているのは、IaaSではなく、SaaSだと専門家は解説する。Microsoftの“コマーシャルクラウド”には、Azure、Office 365、Dynamics 365などのクラウドサービスが含まれており、けん引役はOffice 365だという。

 クラウド分野に強いSynergy ResearchのアナリストJohn Dinsdale氏は「Microsoftのクラウドの数字の多くを占めるのが、ソフトウェアのSaaSだ」とTech Crunchに述べ、各社の調査レポートの“クラウド”の定義が同じではない点に注意を促している。