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AIとソフトウェアで“直感的”ネットワーク Ciscoの「Network Intuitive」

サービス/ソフトウェアとサブスクリプションへの転換

 Network Intuitiveの中心となるアーキテクチャは「Cisco DNA」(Cisco Digital Network Architecture)と呼ばれている。あらゆる機能がソフトウェアで定義可能となり、管理ダッシュボードの「DNA Center」から全体を管理できるという。

 同時に発表した製品群では、スイッチ主力製品の「Cisco Catalyst 9000」シリーズ、サービスやツールのポートフォリオ「DNA Service」、単一のネットワークファブリックに対してポリシーの実施とネットワークセグメント化を行う「Software-Defined Access(SD-Access)」、同社の機械学習技術「Talos」を使って大規模なデータの相関関係を分析するプラットフォーム「Network Data Platform and Assurance」、開発者向けの取り組み「DevNet DNA Developer Center」などがある。

 注目されるのは、Catalyst 9000系で導入するサブスクリプション形式だ。Ciscoはスイッチ技術ポートフォリオに不可欠なソフトウェアをサブスクリプション形式で提供すると発表した。これによって、Catalyst 9000の顧客は、高度なセキュリティ対応などができるという。

 同社はこれらの製品を順次投入してゆく予定だが、価格は発表していない。

 Robbins氏は、Reutersのインタビューに対し、(就任からの)過去2年間、ソフトウェアとサブスクリプション事業に重点を置いてきたとした上で、「その移行のため、サブスクリプションの価値をコアネットワーキングに持ち込む方法を見つけることが次第に重要になっていった」と述べている。

 Network Intuitiveに対するメディアの評価は悪くない。Robbins氏にインタビューしたアナリストPatrick Moorhead氏はForbesに寄稿した記事で、「新しく打ち出したインテリジェントなネットワークモデルは、現在および将来のビッグデータの課題として業界が必要としているものだ」と述べている。中でもIoTエッジで処理するエッジコンピューティングやエッジでのインテリジェンスについては、「Ciscoがようやく動いた」とした。

 だが、ライバルも動いている。ネットワーク専門メディアのLight Readingは「意図ベースのネットワーキングを提唱するのはCiscoだけではない。他社も数年前から同じ方向を進めており、スタートアップのApstraなどはマルチベンダーの意図ベースのネットワークという構想の下にビジネスを構築している」と指摘する。ほかにも、Juniper Networksは「Intent-Driven」という言葉を使って同じ方向へ進んでいる。