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エンタープライズに浸透中 オープンソースPaaSのCloud Foundry

 Cloud Foundryがじわじわと勢力を伸ばしている。アプリケーションの開発と実装のための「クラウドネイティブ」なプラットフォームで、アプリケーションのライフサイクルを通じて自動化、拡張、管理ができるオープンソースのPaaSだ。シリコンバレーで6月に開催された「Cloud Foundry Summit」イベントでは、Microsoftがゴールドスポンサーとして参加することを発表したほか、新しいプロジェクトも立ち上がるなど、話題を提供した。

オープンなPaaSを目指して2011年にスタート

 Cloud Foundryは、開発者があらゆる言語でアプリケーションを書くことができ、任意のクラウドインフラ上で、アプリごとにコンテナイメージに実装できるのが特徴だ。コンテナの業界標準団体Open Container Initiativeや、Cloud Native Computing Foundationとも協力している。

 その歴史は2011年、VMwareがオープンなPaaSとして開発したことに始まる。同社はEMC、GEとともに立ち上げたPivotal Softwareに取り組みを移管。さらにPivotalは2014年、開発のための中立的組織「Cloud Foundry Foundation」を設立して、Cloud Foundryを移管した。プロジェクトは非営利団体Linux Foundationの支援を受けている。

 現在、Cloud Foundryには、Dell EMC、IBM、SAP、Cisco、NTT、GE Digitalなど約65の企業が参加しており、約2400人の開発者からコードにして5万1000行分のコミットがあるという。

 エンタープライズITを専門とするメディアのDiginomicaは、Cloud Foundryを次のように位置付ける。「注目していない人にしてみれば、企業コンソーシアムがアプリケーション開発を簡素化しようとひそかに進める単なるニッチなソフトウェア製品かもしれない」が、それは「大きなものに進化し、重要な動きになっている」