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“Androidの父”が再びモバイル業界へ ベールを脱いだEssential

“iPhoneキラー”になり得る?

 CNETはスマートフォン市場の競合の視点からみる。SamsungとAppleの合計のシェアが40%近くを占める中で、「2社を追うベンダーは安価なスマートフォンを提供することで成功している」とし、699ドルの値を付けたEssential Phoneの可能性にやや懐疑的だ。「(Essentialの)宣伝文句は、新規参入する他のベンダーとなんら変わりはない」(Jackdaw Researchのアナリスト)とのコメントを紹介している。

 さらに、HTCとGoogleの幹部が立ち上げたNextbitなど、これまでも新しいスマートフォンベンダーが出てきたものの、音沙汰がない例を挙げながら、「似たようなストーリーに見える」とした。

 Mashableは「ついにiPhoneキラー登場か?」としてPhoneを分析。「おそらくiPhoneを殺すことはできないだろう。700ドルという高額で、何の実績もない」と結論している。一方で、別のMashableの記事では、Appleが学ぶべき点として、ベゼル幅がほとんどないフォームファクター、チタンやセラミックの素材といった点を挙げている。

 そのチタンだが、Wired.comによると、Rubin氏ら開発チームは「世界中探し回って」(Essentialsのハードウェアアーキテクチャ責任者Jason Ketas氏)、チタンの射出成形を行う企業をみつけたという。そうして、採用の課題であった素材の無駄をなくし、価格を抑えることに成功したと伝えている。実はAppleもiPhoneでチタンの採用を検討したが、この点が障害となって実現しなかったという。

 ともかく、CNET、Mashable、それに他メディアも、Essentialの強みは「Rubin氏自身」だとみている。「スマートフォン分野の“ブランド”といえる人がいるとすれば、Rubin氏だろう」(CNET)というのだ。

 そのRubin氏は「なぜEssentialを始めるのか」というブログで、現在の技術の状況について嘆いている。「選択肢がどんどんなくなり、不要な機能がわれわれの生活に入り込んでいる。お互いが連携しない製品がどんどん出てきている」。そしてAndroidの父として「自分に責任の一端があると感じた」と語っている。

 Rubin氏は、ビジョンとして、「デバイスはユーザーの個人資産であり、欲しくないものを強要しない」「他社と仲良くしてオープンなエコシステムを持つ」「デバイスは毎年古くなるのではなく進化すべき」「シンプルがベター」などのポイントを記している。