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次はPowerにハイパーコンバージドインフラ、NutanixとIBMの提携

 ハイパーコンバージドインフラ(HCI)で注目を集めているNutanixが、IBMとPowerシステムへのHCI採用で提携を結んだと発表した。Powerシステムは、大規模な企業向けシステムを得意としているが、減少が続いている。両社が提携する狙いはどこにあるのか、Powerは巻き返せるのか、また好調のNutanixはハードウェアベンダー再編の中を乗り切っていけるのか――。

PowerシステムにHCIを

 HCIは、仮想化やソフトウェア定義などを使って、コンピューティング、ストレージ、ネットワークまでを1つのハードウェア(アプライアンス)にまとめる技術で、次世代の仮想化インフラとして人気が高まっている。HCIはシステムが統合されているため、相互接続をはじめとした設定や検証などが不要で、管理も一元的にできる。また多くの場合で省スペース化も図れるなど、ユーザーのメリットは多い。

 その人気から、HCI市場は、サーバー、ストレージなど個々のハードウェア市場が横ばいや縮小の傾向にある中で急拡大している。Dell EMC、Hewlett-Packard Enterprise(HPE)などのシステムベンダーもみなHCIを重要な戦略に据え、導入を進めている。

 Nutanixは、そのHCIの先駆者的存在で、投資家からも注目されており、2016年秋の株式公開の際は同年で最大規模のIPOとも言われた。

 同社はHCIプラットフォームの「Acropolis」、管理ソリューションの「Prism」で構成される「Nutanix Xtreme Computing Platform」などの製品を持っている。ソフトウェア、ハードウェア、コミュニティの各エディションがあり、Dell EMC、HPE、Lenovo、Ciscoなどの主要システムベンダーが、Nutanixの技術を採用したHCIハードウェアを提供している。

 NutanixとIBMは提携の下、IBM Power SystemsとNutanixの「Enterprise Cloud Platform」を統合して、すぐに使えるハイパーコンバージドソリューションを提供するという。プレスリリースでは「PowerベースのスケールアウトコンピューティングをサポートするWebスケールに対応し、容易に実装できるアーキテクチャを提供することで、ハイパーコンバージド実装に新しいワークロードをもたらす」としている。

 利用例としては、IBMのWatsonのような機械学習やAI、データベースや業務アプリケーションといったミッションクリティカルアプリケーションを挙げている。