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Twitterが身売り? 誰が手中に収めるのか

Dorsey氏とDisneyの関係

 多くの企業が買収元として取り沙汰される中でも、特に反響の大きかったはDisneyだ。Bloombergが9月27日付で、Disneyが金融アドバイザーをつけて買収を検討していると報じた。

 Bloombergによると、DisneyがTwitter買収を考える理由はいくつかある。まず、Disneyはテレビ放送のABC、スポーツ専門チャンネルESPNを保有しているが、インターネット時代の広告や動画配信を課題として抱えているという点だ。

 Monness Crespi Hardtのアナリストは、Disneyの動きを、「ケーブルTVの後の無線インターネット時代の動画の配信先を考えなければならない。世界中の視聴者にリーチできるプラットフォームをTwitterによって獲得できる」ためと説明している。

 もう一つの大きな要因が、人のつながりだ。TwitterのDorsey氏はDisneyの取締役を務めており、Disney会長兼CEO、Bob Iger氏はDorsey氏にとって導師的な存在なのだという。Iger氏は2006年、就任後わずか数カ月のうちに、Pixarを74億ドルで買収するなど、“戦略的思想家”として知られている点も付け加えている。

 Twitter側のメリットとしては、これまで以上に広告事業のチャンスが広がる、とBloomberg Intelligenceでアナリストを務めるPaul Sweeney氏は分析する。CNNは、Twitterがライブビデオに注力していることに触れながら、Dorsey氏が「メディア企業に買収されたいと思っているのでは」とのアナリストも意見を紹介している。

 Bloombergは、Iger氏の手腕を評価する一方で、既存メディアが新しいメディアを買収するという事例があまり成功していない点も指摘する。Disneyにもビデオゲームプロダクション事業から撤退したという過去がある。

 もし、DisneyがTwitterを買収するとなると、買収額は1996年にCapital Cities/ABCを190億ドルで獲得して以来の規模になると予想している。

 Disneyは有力候補として挙がっているが、Twitterにとって、メディア企業とハイテク企業のどちらが好ましいかとの考察もある。Wall Street Journalは、Twitterが広告の会社であり、例えばSalesforceのような広告事業を持ってない(買収効果が高い)買い手の方が、より高値をつける可能性があるとする。Twitterの出資者たちは、“白馬の騎士”(買収元)が、ハイテク企業の側から現れるのを期待すべきだというのだ。