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Twitterが身売り? 誰が手中に収めるのか

Twitterが脱皮できない理由

 Financial Timesは、TwitterとDeutsche Bankを合わせて取り上げながら、企業がコア事業から成長することの難しさを語っている。

 Twitterの140文字というシンプルさは当初の成功の力になったが、その後、写真、動画などと拡大してもマイクロブログというコア事業から拡大できなかった。これは、決して珍しいことではなく、むしろ多くの企業が抱えている課題なのだという。

 McKinseyの調査によると、企業の9割が今後5年内に事業の多様化を実施、あるいは計画しているが、新規に立ち上げた事業が全体の売上の10%にまで伸びる(=成功する)率は3分の1にすぎないとの指摘だ。

 Financial Timesは「企業の個性を変えるのは難しい。特に最初のビジネスが狭かった場合は」とした上で、「Twitterのニッチさは、140文字という上限を設けていることからも明らかだった」と述べている。

 一方で、Amazonの場合、Jeff Bezos氏はオンライン書店という明確な位置付けを確立したからこそ、AWSでクラウドを試すことができたとする。また、Facebookも当初は大学生向けネットワークだったものを一般向けに変え、動画、メッセージなどに拡大していった点が異なると分析した。

 Twitterは2006年のサービス開始から満10年を迎えた。知らない者はないほどの有名サービスで、莫大な資金調達にも成功してきた同社も経営となると簡単ではなかった。同社を手にするのは、いったい誰なのか――。早ければ、年内にも結論が出るだろうともいわれている。