クラウド特捜部
国内クラウド事業者のメリットを生かすIIJ GIO仮想デスクトップサービス
(2014/8/15 06:00)
セキュリティや運用など多様なオプションを提供
クラウド事業が提供しているVDIサービスなどでは、インターネットを使ったVPN接続などは提供されているが、閉域網接続などのプライベート接続を提供しているのは、IIJならではだろう。このようなサービスを利用すれば、VDIサービスを利用しても、高いセキュリティ性を保つことが可能になる。
IIJ GIO仮想デスクトップサービスでは、基本となるVDIサービスのオプションとして、アンチウイルス、ZeroDay攻撃対策、高いセキュリティ性を保つためにアクセス認証を強固にしたSecureGatewayオプションなどを用意している。
VDI環境では、多数のVDIで同時にアンチウイルスが動作することで、システムの負荷が急激に上がることがある。IIJ GIO仮想デスクトップサービスでは、トレンドマイクロのVDI向けアンチウイルス製品を利用しているため、システム負荷が上がりにくく、アンチウイルス機能を使ってもVDIのパフォーマンスが低下することはないという。
ZeroDay対策としては、FFRのエンドポイントセキュリティ製品であるyaraiを利用することで、セキュリティパッチがリリースされていない脆弱性を攻撃してくる、ZeroDay攻撃を防ぐことができる。FFRでは、yaraiを利用すると、脆弱性を悪用した攻撃の99%に対処することができるとしている。
運用に関しても、オプションサービスを利用すれば、IIJがパッチ適用や障害対応、バージョンアップ、アプリ展開など行ってくれる。こういったサービスを利用すれば、IIJ GIO仮想デスクトップサービスを利用するユーザー企業は、クラウドでのVDIによる管理・運用負荷は非常に小さくなる。その分、IT部門は新たなシステム開発など戦略的なITへシフトしていける。
また、IIJでは、VDIサービスへの移行支援プログラムも用意している。VDIの体験サイトを用意するだけでなく、IIJのエンジニアがVDIの移行に関する支援を行っている。もちろん、実際の移行時に手間のかかる作業をできるだけ自動化するための各種移行ツールも提供している。
例えば、Windows XPからWindows 7へ移行する時にアプリケーションが動作するかチェックするCitrix AppDNAなども移行ツールとして提供されている。こういったツールを使えば、まだWindows XPからの移行が済んでいない企業もVDI化をスムーズに行うことができるだろう。
このようにVDIに関する一貫したサービスは、海外のクラウド事業者では望めないサービスだろう。また、VDI単体だけでなく、足回りのアクセス回線、ファイアウォールなど、インターネットの黎明期からインターネットプロバイダーとしてサービスを行い、技術レベルには定評がある、IIJならではのサービスといえる。