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シュナイダーエレクトリック、UPSはNon-IT向けの導入用途拡大を推進

大型データセンター向けやIoTソリューションにも注力

 シュナイダーエレクトリック株式会社は16日、国内のIT事業に関する戦略説明会を開催。「小型UPS市場」「データセンター市場」「IoT関連市場」の3つにおいて、フォーカスしていくところを説明した。

シュナイダーエレクトリック、UPSはNon-IT向けの導入用途拡大を推進 2020年に向けたIT事業の戦略
シュナイダーエレクトリック、UPSはNon-IT向けの導入用途拡大を推進 2020年に向けたIT事業の戦略
2020年に向けたIT事業の戦略

 このうち小型UPS事業は、UPSの用途として一般的な、サーバー機器の電源保護を中心とした「ITセグメント」に加えて、通信関連機器、医療現場、駅務システム、POSレジと周辺機器、監視カメラとPoEスイッチといった、「Non-ITセグメント」へ注力していくという。

 松崎耕介代表取締役によれば、同社が2016年のUPS市場規模を調査したところ、ITセグメントが約450億円だったのに対し、Non-ITセグメントは約半分にあたる230億円の規模と、「せいぜいITセグメントの10%程度だろうと思っていたが、想像していたよりも大きな規模があった」とのこと。

 一方でITセグメントは、そのほとんどがサーバーの電源バックアップ用途となるが、サーバーの台数は限られており、台数面での成長は望めないため、Non-ITセグメントの成長こそが、この市場の底上げにつながっていくとアピールする。

シュナイダーエレクトリック、UPSはNon-IT向けの導入用途拡大を推進 松崎耕介代表取締役
松崎耕介代表取締役

 今後もさまざまな分野で“電源を落としてはいけない”機器の増加が見込まれることから、Non-ITセグメントでのUPS利用は増加する見込みで、シュナイダーエレクトリックでは、Non-ITセグメントでの利用拡大がUPS市場全体の伸びをけん引すると予想しており、成長する市場の中で、「2020年までにUPSのシェアを2016年の1.3倍にしたい」(松崎氏)との目標を示した。

 残る2つのうち「IoT関連市場」では、IoT対応ソリューションを提供するための「EcoStruxure IT」アーキテクチャを手掛けており、これを積極的に展開する考えを示す。EcoStruxureの強みは、統一したアーキテクチャで運用され、かつオープンなこと。このため、同じアーキテクチャで作られたものであれば、他社製品であっても相互運用が可能になっており、さまざまな機器を統合的に運用・管理していける。シュナイダーエレクトリックでは、こうした強みを生かしてビジネスの拡大を図るという。

 また、最後の「データセンター市場」では、外資が国内でも強化している大型データセンター向けに注力していくとのこと。

 「中小のデータセンターやIT以外のセグメントにフォーカスしてきたが、AWSやエクイニクスなど、外資のお客さまが日本の大型データセンターを手掛けるケースが増えてきた。中小規模も引き続き手掛けるものの、こうした外資系は、北米や欧州で当社製品を使っていることも多く、導入が期待できる」(松崎氏)とし、大規模データセンターへのフォーカスを強める意向を示している。

 さらに、データセンター構築を支援する専門組織「データセンター・リージョナルアプリケーションセンター・ジャパン(以下、DC RAC Japan)」についても、継続して強化していくことを明言。「グローバルの知見を日本のお客さまにも提供できるように、ということで作ったが、今後は英語ができるエンジニアを強化したい」とした。

 なおデータセンター分野では、2020年の市場シェアを2016年の倍にすることを狙っている。