週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】特別高圧電力(特高電力)とは
2025年9月9日 06:00
大規模商業施設や工場など利用される電力。「特高電力」との略称がしばしば用いられる。データセンター施設全体の稼働には不可欠とされ、一般家庭のコンセントに供給される電力の電圧が100V(ボルト)で通常は「低圧」と呼ばれるのに対し、特高電力は7000V以上のものを指す。ただし電力会社のサービスメニュー的には、それよりも遥かに高い2万Vや6万Vでの供給となるのが一般的。
データセンターの立地が、ある特定エリアに集積しがちな理由として、地盤の強固さや洪水リスクの低さが挙げられることは多い。ただ現実には、電力供給にかかる事情も大きく影響している。
データセンターの施設内では大量のサーバーが運用されており、その動作に必要な電力は膨大だ。よって、効率に優れた特高電力の利用が大前提となる。しかし、そのためには特高電力を扱える変電所が近傍にあり、電力会社側も需要に応えられるだけの電力を供給できなければならない。
変電所には種類があり、全ての変電所で特高電力を扱える訳ではないため、結果的にデータセンター立地の制限へと繋がる。また供給量などの事情から、申請してすぐには特高電力を利用できず、“数年待ち”になるとの声も関係者からは聞かれる。
データセンターを巡っては、生成AIの台頭によってさらに消費電力量が増大すると見込まれる。新設・既設にかかわらず、どれだけの電力供給を受けられるかは、何台のサーバーを収容できるかという、収益性にも関わる要素だと言える。