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KDDI、GPUクラウドサービス「KDDI GPU Cloud」を2026年4月開始
キャリアグレードのネットワーク環境下でNVIDIA GB200 NVL72を提供
2025年10月29日 06:30
KDDI株式会社は28日、「大阪堺データセンター」上でNVIDIA GB200 NVL72を提供するGPUクラウドサービス「KDDI GPU Cloud」のサービス申し込み受付を、2026年4月1日に開始すると発表した。同サービスは、大阪堺データセンターを活用した第1弾のサービスとなる。また、2026年1月下旬にはサービスのトライアル提供を開始する。
KDDI GPU Cloudは、キャリアグレードのネットワーク環境下でNVIDIA GB200 NVL72を提供する。これにより、ガバナンスが担保されたセキュアな環境で機密情報を用いた学習を可能にする。
サービスは、NVIDIA Cloudパートナー契約に基づいてNVIDIAが規定したリファレンスアーキテクチャに準拠して構築しているため、NVIDIA GB200 NVL72の性能を最大限引き出す構成になっていると説明。GPU間を高速通信で接続する「NVLink」により、クラスタ環境における高速パフォーマンスを発揮し、これまで計算時間を要していた分析を高速に実行する。
NVIDIA GB200 NVL72に搭載の各計算ユニットを、ベアメタル環境のGPUサーバーとして1台単位から利用できる。スモールスタートから大規模なクラスタ環境への拡張まで、顧客の学習データセットに合わせてオンデマンドでクラスタ環境を変更できる。
サービスのユースケースとしては、モビリティ事業者による自動運転モデルの開発や、金融機関の顧客との取引データの解析、市場予測、モデル開発、リスク対策のシミュレーション、法律・医療・金融など専門領域に特化したLLM、対話AIエージェント、高品質な画像・動画を生成するAIモデル、高精度な製品検査・品質管理を実現する画像検知AIモデル、AI開発などを挙げている。
また、医療研究機関によるゲノム解析、ゲノム解析向け大規模言語モデル開発、症例画像解析や、気候変動予測AI、防災シミュレーションAI、ロボットの自律制御を担うAIなど、大量のデータを用いた研究開発にも活用できるとしている。
KDDIでは、今後は学習に加えて推論にも注力し、顧客のビジネス課題に応じたAIサービスの開発および導入・活用を支援すると説明。これにより、日本企業の生成AI開発力に寄与し、日本の産業競争力強化に貢献していくとしている。

