週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】フェイルオーバーとは

 稼働中の業務システムがハードウェア故障などによって停止してしまった場合、「自動的」に予備システムへ切り替える仕組みのこと。手動で切り替える方法は「スイッチオーバー」と呼ばれ、区別される。

 メッセージ送受信・EC・動画配信などインターネット上で提供されるサービスは、昼夜関係なく24時間365日利用できるというのが、顧客にとっての大前提である。しかし現実には、サーバーを構成しているハードディスクが故障したり、停電などの外的要因によって、一時的とはいえサービスが停止する可能性を否定できない。

 その対策として、本システム以外に予備システムを用意し、冗長構成とする方策が大規模インターネットサービスにおいては浸透している。加えて、フェイルオーバーによって予備システムへの切り替えを自動とすることで、サービス停止時間を瞬間的、ないし極めて短時間に抑える効果が期待される。データセンターのサービスメニューによっては、サーバー停止時のフェイルオーバー機能があらかじめ組み込まれている。

 とはいえ、フェイルオーバー機能があればすべて万全という訳ではない。2020年10月1日、東京証券取引所での株式取引が丸一日停止に追い込まれた大規模システム障害は、フェイルオーバーが正常に完了しなかったことがその一因とされる。