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ティントリの仮想化専用ストレージ「VMstore」がVVOL対応、「他社製品にはない優位性を引き続き提供」
オールフラッシュのエントリー製品も提供
(2015/12/15 06:00)
ティントリジャパン合同会社(ティントリ)は14日、仮想化専用ストレージ「Tintri VMstore」において、VMware製品との連携を強化した最新OS「Tintri OS 4.1」を発表した。また同時に、オールフラッシュ製品のラインアップを拡充し、エントリーモデルを新たに提供する。
ティントリでは、仮想環境に特化したストレージTintri VMstoreを主力製品として販売している。その特徴は、ストレージが仮想マシンを認識する、“VM Aware”なストレージであること。一般的なストレージでは、どのVMで何が行っているかが見えないため、集約されたI/Oに対して最適化を行うしかない。しかしTintri VMstoreでは、仮想環境で何が起こっているかを可視化し、個別に制御できるため、ワークロード単位での最適化を行うことができる。
一方でVMwareでは、VMware vSphere 6.0において、ストレージ管理の負担を軽減し、バックアップ運用を簡易化するVVOL(Virtual Volumes)という仕組みを導入。VMwareの仮想環境においては、ティントリ製品のように仮想マシン(VM)単位での管理を行えるようにした。スナップショット、クローンなどのデータ管理を仮想マシン単位で行え、管理サーバー(vCenter)側で行っていた作業はストレージ側にオフロードされる。
VVOLが他社のストレージでもサポートされれば、一見、ティントリの優位性はなくなるように思えるが、技術本部 SEマネージャーの鈴木宏征氏によれば、「VVOLはあくまでもAPIであり、何ができるかはストレージベンダーの実装に大きく依存する」のだという。
現状、他社製品とは、対応可能なVVOLの数、QoSによる性能の最適化が可能な点などで優位性を保っているとのこと。「仮想ディスク単位、VM単位の管理はできるかもしれないが、VM単位の性能の最適化は違う視点で考える必要がある。ティントリ製品では、今まで通りマルチハイパーバイザー環境にも対応できるし、仮想マシン単位のQoSにより、高い集約率を提供できる。導入時に詳細な設計が不要な点もメリットだ。当社ならではの価値は変わらない」(鈴木氏)とした。
特に必要がなければ無理にVVOLを利用する必要はなく、テクニカルダイレクタの首藤憲治氏は、「すでにVVOLを入れているお客さまがティントリを導入するような場合のように、vCenter経由ですべて管理したい、といったお客さまはVVOLを使うことになるだろう」とした。なお、VVOL環境と従来通りのNFS環境の混在利用にも対応している。
また今回は、管理性でもVMwareとの連携を強化している。「Tintri vSphere Web Clientプラグイン 2.0」をリリースし、ティントリの管理画面で行う設定作業を、すべてWeb Client経由で操作可能にした。これにより、仮想化の管理者は、VMwareの操作からティントリのストレージ管理まで、すべて同じインターフェイスで対応できるという。さらに、「Tintri Management Pack for vRealize Operations」をリリース。VMware vRealize Operations(vROps)の管理コンソールから、ティントリ製品を含めた仮想環境の統合運用管理を行えるようにした。
「VMwareの提唱するSoftware-Defined Data Center(SDDC)を実現するために、ティントリでもストレージの運用管理ができるようにツールを提供する。仮想化環境では、コンポーネントごとに個別で監視したり、専用ツールを利用しているケースが多い。しかし規模が大きくなってきたり、パブリッククラウドを併用するハイブリッド環境を利用したり場合、管理対象が今まで以上に増えてくる。vROpsなどを中核に、どのような環境にも対応できる環境を整備するのが重要だ」(鈴木氏)。
このほか、9月より提供開始したオールフラッシュ製品の新モデルとして、エントリー製品「Tintri VMstore T5040」の販売を開始する。実効容量5.76TB、論理実効容量18TB、サポートVM数は1500で、参考価格(税別)は2500万円となる。