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仮想マシンを認識するストレージ「Tintri VMstore」、Hyper-Vをサポート

VMware、RHEVとの混在環境でも意識することなく利用可能

 ティントリジャパン合同会社(以下、ティントリ)は5日、自社のストレージプラットフォーム「Tintri VMstore」がMicrosoft Hyper-Vによる仮想化環境をサポートしたと発表した。当初からサポートしているVMware vSphere、昨年サポートを発表したRed Hat Enterprise Virtualization(RHEV)とあわせて、マルチハイパーバイザー環境での利用に対応する。なお、Hyper-VはTintri VMstoreのOS「Tintri OS 3.1」以降で利用でき、既存ユーザーには無償で提供される。

 ティントリでは、仮想環境に特化したストレージTintri VMstoreを主力製品として販売している。その特徴は、ストレージが仮想マシンを認識する、“VM Aware”なストレージであること。一般的なストレージでは、どのVMで何が行っているかが見えないため、集約されたI/Oに対して最適化を行うしかない。

 しかしTintri VMstoreでは、仮想環境で何が起こっているかを可視化し、個別に制御できるため、ワークロード単位での最適化を行うことができる。米Tintri 技術担当副社長のレックス・ウォルターズ氏は、「企業にとって一番大事なのは、インフラではなくアプリケーションとサービスだ」という点を指摘。Tintri VMstoreを使えば、仮想環境を可視化するとともに優先制御を行えるため、重要なアプリケーションを守ることができるとした。

Tintri VMstoreのアーキテクチャ
米Tintri 技術担当副社長のレックス・ウォルターズ氏

 ハイパーバイザーは、従来はVMwareとRHEVにのみ対応していたが、今回Hyper-Vをサポートしたことで、仮想化されたSQL ServerやMicrosoft Exchange、SharePointといったアプリケーションが複数同時に稼働するような状況においても、VMの稼働状況にあわせた性能チューニングを自動的に実施し、パフォーマンス問題を改善できるようになったとのこと。

 管理についても、Hyper-V ManagerならびにSystem Center Virtual Machine Manager(SCVMM)とネイティブに連携し、スナップショット、クローン、レプリケーションといったデータ保護を、仮想マシン単位で行うことができる。

 プロトコルはNFS/SMB 3.0に対応し、Hyper-Vをはじめとした複数のハイパーバイザーによるさまざまなワークロードを、単一のTintri VMstore上で稼働させることが可能だ。

 「ハイパーバイザーが違っても、できることはまったく同じ」(ウォルターズ氏)とアピールするように、管理画面では、異なるハイパーバイザーであってもシームレスに“見える化”を実現しているため、管理者はハイパーバイザーの種類を意識することなく、VMの管理を行えるとした。

 また同時に、最新のVMware vSphere 6や、VMware vSphere Virtual Volumes(VVOLs)、VMware vRealize Operationsなどについても、次期以降のTintri OSでサポートを表明した。

 なお、ティントリの職務執行者社長、河野通明氏は、「富士通のOEMビジネスも毎月のように大きくなっているし、昨年、代理店に加わったネットワールドとも新たな案件を進めている」と述べ、国内のビジネスが順調に推移している点を強調。さらに、「現在12名の社員を増員し、2015年4~6月期には19名まで拡大する。また、それに備えるためにオフィスを移転。サーバールームも拡大し、日本のパートナーやユーザー企業の支援を効果的に行えるよう、体制を整える。2015年4~6月期には、名古屋と大阪にも営業拠点を開設するが、もともと来年くらいのイメージでいたので、1年前倒しで進んでいる」とした。

ティントリの職務執行者社長、河野通明氏

石井 一志