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アシスト、企業システムの運用イベント分析クラウド「千里眼SaaS」

 株式会社アシストは29日、企業システムの運用イベントを分析するプラットフォーム「千里眼SaaS」を、10月1日より提供開始すると発表した。基盤としては、Amazon Web Services(AWS)のクラウドサービスを利用する。

 アシストでは、ITサービス管理実践ソリューション「ENISHI(えにし)」の1つ「イベント管理ソリューション」において、障害監視やジョブ管理など、システム運用時に発生するイベント情報の一元管理基盤となる「千里眼イベント管理 for JP1」を提供している。このソリューションでは、日立の統合運用管理ソフトウェア「JP1」に集約される大量のイベントを、クリックテックのBIソフトウェア「Qlik View」に取り込むオンプレミス形態で提供してきた。

 今回発表した「千里眼SaaS」は、同様の仕組みをSaaS型のクラウドサービスとして提供するもの。AWS基盤上に構築したクリックテックのBIプラットフォーム「Qlik Sense」を分析エンジンに利用し、システム運用時に発生するさまざまな運用イベントを多角的に分析することで、現状の運用状況を可視化するという。

 レポートテンプレートは、イベントの発生件数や種別を確認し、イベント全体を可視化することで、システムの運用状況を把握する「ダッシュボード」、JP1イベントのサマリを時間、ノードなどの軸で表示する「JP1イベントサマリ」などを提供。また、定期的にエラーを起こすジョブや、エラーの発生する時期・時間帯を発見することも可能とした。

ダッシュボード
JP1イベントサマリ

 こうした、「千里眼SaaS」で用意されているレポートと直観的に使える分析基盤は、日々の運用状況の確認や継続的な運用改善で効果を発揮するほか、AWSの特徴である「拡張性」「俊敏性」「柔軟性」により、導入時のハードウェア選定にかかる時間や、ハードウェア増設時のコスト、作業を大幅に削減できる点が特徴とのこと。

 価格(税別)は、初期費用が30万円、月額料金が1サービス(3ユーザー)で9万8000円。アシストでは、「千里眼SaaS」を「ENISHI」の中核に位置付け、今後もラインアップを拡充する計画で、システム運用の改善を検討している企業へ展開し、2016年12月末までに30社への販売を目指すとしている。

石井 一志