“いつもと違う”動作を把握し改善につなげる――、アシストがシステムイベント情報可視化ソリューションを強化

　株式会社アシストは30日、企業システムの運用業務で発生するシステムイベントを分析・可視化するプラットフォーム「千里眼SaaS」において、機能拡張版「千里眼SaaS 2020-09 Updates」を提供開始すると発表した。

　千里眼SaaSは、日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」に蓄積された、システム運用時に発生するさまざまなログやイベント情報を、アシストが培ってきたノウハウをもとに多角的に分析し、現在の運用状況を瞬時に可視化・分析するサービス。分析エンジンには、クラウド上に構築したQlik Technologiesのセルフサービス型分析プラットフォーム「Qlik Sense」を利用している。

　今回のアップデートである「千里眼SaaS 2020-09 Updates」では、ジョブ稼働の予測分析やSAP ERPに特化したレポートが利用できるようになった。

　前者については、予測分析に特化したレポートテンプレートを拡充しており、企業のシステム固有のジョブ開始予定時刻、所要見込み時間を新たな分析データとして活用できるようになった。さらに、予実比較、ジョブ実行時間の分布レポートが追加されている。

　これらの強化により、ジョブの延伸や遅延など“いつもと違う障害予兆”をより分かりやすく予測できるようになったとのことで、アシストでは、例えば、定期的にジョブの遅延状況を分析し、関連する部署と共有し対策を採ることで、さらなる安定稼働を実現するとアピールしている。

　一方、SAP ERPに関しては、SAP ERPジョブに特化したレポートが追加され、ERPのプログラム名やバリアントなどの外部データをレポート表示できるようになった。例えば、異常終了が頻発しているSAP ERPジョブを分析結果から特定し、その後、詳細なパラメータ情報をERPの担当開発部門と共有することで、より迅速かつ正確な情報連携と改善を促進できるとしている。

　千里眼SaaSの価格は従来と変更なく、月額9万8000円（税別）。初期費用が別途必要となるほか、契約は年単位となる。