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国内6社「セキュアドローン協議会」設立、安心・安全な操作環境めざす

北海道・沖縄で「精密農業」実証へ

 ドローン(無人航空機)の安心・安全なシステム操作環境とセキュアなクラウドサービスの構築に向け、セキュアドローン協議会が1日、設立された。発起人はサイバートラスト、ジャパンインテグレーション、スプリングフィールド、ソーラー・エナジー・ソリューションズ、ユビキタス、ラックの6社。最初の取り組みとして、6月から北海道旭川市および沖縄県にて精密農業におけるドローン利活用の実証実験を行う。

 ドローンの活用がさまざまな業界で期待される中、墜落などの事件・事故によって、規制化の動きも活発な昨今。同協議会では、参加各社の先端ドローン技術、セキュリティ技術、IoT関連技術、エネルギー管理システムといったICT関連技術を生かし、ドローンの安心・安全な操作環境とデータ送信環境を確立していく。

 最初の取り組みとして、6月から北海道旭川市および沖縄県にて実証実験を実施。米国での精密農業の取り組みを参考に、今後急速なインテリジェンス化が見込まれる日本の農業分野において、ドローンがどのように安全に利活用できるかを検証する。

 北海道旭川市ではクラークホースガーデンにて、「安心安全な操作環境の実証」「農産物(トウモロコシとイモ)の生育画像情報を安全にクラウドサービスに上げる実証」「生育画像情報の解析」を検証。実証実験における課題分析を通じて、担い手農家の負担軽減と高付加価値農業の展開に取り組み、北海道農業の課題解決につなげたい考え。

 6月5日に実証開始の開所式を行い、8月にはドローンの安心安全な操作の啓発活動として、同協議会 会長の春原久徳が講師を務める「安心安全 夏休み親子ドローン体験塾」も実施する。

 一方の沖縄県では、「クラウドサービスでビッグデータ化した育成データを農産物(稲、アセロラ)の育苗解析(病や生育状態)に適用」「昼夜のリアルタイム生体監視に応用した害獣動向解析(野生化したカピパラ)」「農作物育成に適した環境分析」を行う。

精密農業とドローン

 精密農業とは、農地・農作物の状態をよく観察し、きめ細かく制御し、農作物の収量と品質を向上させ、その結果に基づき次年度の計画を立てる一連の農業管理手法(農林水産省)。米国では2000年代初頭より導入されている概念である。

 世界の人口は2050年までに96億人を迎え、食料・飼料の需要は現在の2倍になるという試算がある。また、日本の食糧自給率が40%といわれ、世界でも106%から2025年には100%を切るといわれている。世界的に食糧需要が急速に伸びる中、単位面積あたりの収穫量を増加させる取り組みが求められている。

 期待されるのがICTを活用し、農業をインテリジェント化する方法。画像解析やセンサー技術を活用することで農場の状態情報をデータ化し、さまざまな視点から分析することで、収穫量の増加や低農薬化が可能になるとされる。

 米国では自動化・センシングのツールとしてドローンが活用されており、米国連邦航空局もドローンの農業活用には前向きな姿勢を見せている。

川島 弘之