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「Azure ExpressRoute」を利用した各種サービス、続々登場

 日本マイクロソフト株式会社は15日、パブリッククラウドサービスのMicrosoft Azureと、顧客のデータセンターや社内システムの間を専用線でつなぐ閉域網接続サービス「ExpressRoute」を発表した。それに伴い、各社からさまざまなハイブリッドクラウドソリューションが登場している。

JSOL

 株式会社JSOLは19日に、Azure ExpressRouteを活用した3つのソリューションを発表している。1つ目は、既存のWAN環境をAzure ExpressRouteで接続し、オンプレミスのメリットとパブリッククラウドのメリットを活用できる、効果的なハイブリッドクラウド環境に再構成する「Azure ExpressRoute対応ハイブリッドクラウド構築サービス」。

 また2つ目の「Azure ExpressRoute対応IT-BCPハイブリッドクラウド活用サービス」では、既存の仮想化基盤のDR先としてAzure ExpressRouteを構成し、コストを抑えたBCP環境を導入する。

 3つ目の「Azure ExpressRoute対応ハイブリッドデータクラウド構築サービス」では、Microsoft AzureとプライベートストレージをAzure ExpressRouteで接続し、パブリッククラウドとプライベートストレージ間を高速で接続・通信できる環境に構成する。

日立

 株式会社日立製作所(以下、日立)は15日、ExpressRouteに対応し、日立のクラウドサービス提供拠点「Hitachi Cloudセンタ」とMicrosoft Azureの専用線接続を可能にするネットワークサービス「クラウド間接続サービス for Microsoft Azure」を発表。同日より提供を開始している。

 このサービスを利用すると、日立が運用管理するマネージドクラウドとMicrosoft Azureをシームレスかつセキュアに相互利用できるため、多様化するニーズに対応したフェデレーテッドクラウド環境を実現するとした。

 なお専用線接続には、エクイニクスの「Equinix Cloud Exchange」を活用。専用回線およびネットワーク機器を冗長化したネットワーク環境を提供する。

 価格は月額が50万円(税別)から、一時費用が15万円(税別)から。別途、ExpressRouteの費用も必要となる。

インテック

 株式会社インテックは、広域仮想クラウドサービス「EINS WAVE」のIaaSサービス「EINS/SPS」とMicrosoft Azureを閉域網で接続し、EINS WAVEにMicrosoft Azureの多彩な機能を展開する、ハイブリッドクラウド環境を提供する。

 インテックでは、単純なシステム連携にとどまるのではなく、SIerとしてのシステム運用ノウハウを付加価値として提供し、クラウド全体のトータルソリューションをマルチクラウド環境にて展開する考えだ。

TOKAIコミュニケーションズ

 株式会社TOKAIコミュニケーションズは、キャリア・企業向け通信サービスBroadLineのEthernet専用線およびリレーションEthernetにおいて、Microsoft Azureとのプライベート接続サービスを提供する。サービス提供にあたっては、エクイニクスのEquinix Cloud Exchangeを利用し、ExpressRouteに接続することで実現しているが、IIJの「IIJ クラウドエクスチェンジサービス for Microsoft Azure」への接続回線の提供にも対応するとのこと。

 また、通信速度は10Mbps、100Mbpsから10Gbpsの広帯域接続までを取りそろえており、柔軟な構成が可能とした。

 同社では、3年間で100回線、3億円の売り上げを見込んでいる。

Equinix Cloud Exchangeによる接続イメージ
IIJクラウドエクスチェンジサービス for Microsoft Azureによる接続イメージ

KVH

 KVH株式会社は、ExpressRouteを用いて顧客のオフィスやデータセンターとMicrosoft Azureのクラウド基盤を専用線で接続する「etherXEN for Azure」を提供する。

 回線終端装置設置済みの場合、最短10営業日以内に開通できるほか、すべての顧客に1Gbpsのアクセスリンク容量を提供しているため、物理工事なしに帯域の柔軟な変更も行えるとした。初期導入時は最小帯域で利用開始し、需要の変化に応じて1Gbpsに変更する、といったこともできる。回線容量は、帯域保証型200Mbps、500Mbps、1Gbpsの3種類。

石井 一志