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NTTドコモビジネス、生成AIエージェントを用いたコールセンターソリューションを三菱UFJ銀行へ提供

問い合わせ時の顧客の負担軽減と、一部オペレーターへの業務集中防止を実現

 NTTドコモビジネス株式会社(旧称:NTTコミュニケーションズ株式会社)は16日、生成AIエージェントを用いたコールセンターソリューション「発話ベースルーティング(電話着信先の振り分け機能)」を、株式会社三菱UFJ銀行へ提供すると発表した。このソリューションは、コールセンターへの着信時に生成AIが発話内容をリアルタイムで解析し、用件に応じて最適なオペレーターへ接続するもので、顧客満足度の向上とコールセンター業務の効率化を実現するという。

 従来のIVR(電話自動応答システム)では、メニューを案内する音声ガイダンスを聞いた後に、顧客が自ら適切なメニューを判断し選択する必要があったため、ガイダンス再生中の途中離脱、適切なメニューが選択されないことによる応対時間の長時間化、一部のオペレーターに対する業務の偏りなどが課題となっていたという。

 そこで、三菱UFJ銀行とNTTドコモビジネスは、NTTテクノクロス株式会社の「CTBASE/Intelligent Router」および「VoiceMall」を活用した「発話ベースルーティング」の検討に着手し、2024年3月~7月にかけてPoC(概念実証)を行った。

 この実証では、オペレーターが実際に対応した問い合わせを再現し、着信を適切なオペレーターへ振り分ける試験を繰り返し行った。こうして、AIが金融機関独自の用語の学習とデータ蓄積を行った結果、問い合わせ内容の正しい認識が可能となり、振り分け精度の向上を実現したとのこと。

 また、用件の特定が困難な問い合わせに対しては、独自開発の生成AIによる学習・振り分け技術を活用して、振り分け先への接続フローの継続的な改善を行い、今回、「発話ベースルーティング」の導入および運用開始に至ったとした。

 具体的には、三菱UFJ銀行が利用中のフリーダイヤルの一部メニューを、生成AIによる「発話ベースルーティング」へ接続した。顧客は用件を自由に発話するだけで、その内容を生成AIが判断し、最適なオペレーターへ接続できるという。これにより、問い合わせ時の顧客の負担を軽減し、満足度を高めるとともに、一部のオペレーターへの業務集中を防ぎ、コールセンター全体の業務効率を向上させることが可能になるとしている。