ニュース

IIJ、クラウド環境「IIJ GIO」へのSAP導入・運用を支援するサービス

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は31日、SAP Business Suiteの基盤としてクラウドサービス「IIJ GIO」を利用するユーザー企業向けに、クラウド環境へのSAP BASIS導入・運用を支援する「IIJ GIO for SAPソリューション」を発表した。同日より提供開始する。

 「IIJ GIO for SAPソリューション」は、IIJ GIO上でSAP Business Suiteを利用するための基盤を提供し、構築・運用を支援するソリューション。IIJは、独SAPが設定した品質基準をクリアし、ホスティングサービスとクラウドサービスにおいて「SAP Certified in Hosting Services」および「SAP Certified in Cloud Services」の認定を取得している。今回提供するソリューションは、この認定を受けてSAPシステム向けにサービスを拡張し、提供を開始するもので、「クラウド基盤」「導入構築支援」「監視・運用」の3つの要素から構成されている。

 このうち「クラウド基盤」では、仮想サーバー、専有サーバー、およびその企業専用のVMware仮想化環境を構築する仮想化プラットフォームを提供する。SAPシステムの基盤にIIJのクラウドサービスを利用することで、資産を持たずに、高度なスケーラビリティを備えたSAP環境基盤を構築できるという。また、従来のパブリッククラウドでは実現できなかったユーザー資産の持ち込みや、専用線、IP-VPNなどのWANの直収にも対応するため、SAP Business Suiteの本番環境に求められる高性能なサーバー、ネットワーク構成をサポートするとした。

 2つ目の「導入構築支援」では、移送管理設計、ユーザー管理設計などのSAP BASISの構築はもちろん、バックアップ構成、高可用性システム構成、災害対策に備えたインフラ構築など、IIJ GIOのクラウド基盤上でSAP Business Suiteを利用する際に求められる、さまざまなニーズに応えるとのこと。IIJではさまざまな支援サービスを用意するほか、新規導入ならびにオンプレミスからIIJ GIOへSAP環境を移行する企業に向け、本番環境サイジングを無料で実施するとしている。

 最後の「監視・運用」は、2012年10月より提供している「IIJ GIO統合運用管理サービス」をSAP向けに拡張したもの。SAP BASIS向けの監視機能を追加し、SAP BASIS、データベース、インフラ運用をサービスとして提供する。これらのサービスでは、IIJ GIOに加えて、オンプレミスと連携したハイブリッドクラウド環境でも、一元的にシステムを監視・運用できるとのこと。

 なおIIJは、このソリューションを含むSAP関連ビジネスにおいて、2015年度に10億円の売上高を目指している。

石井 一志